今回、Dr.Bordeaux資料Dとして掲載する資料は、『レース鳩の飛翔能力(L'aptitude au vol du pigeon voyageur. Reliure inconnue janvier 1937 )』です。
これは、前々回の【Piet de Weerd 研究』関連資料として掲載した「ミュニエ号編資料B−1 太田誠彦『PIGEON CUTURE:第7回 Dr.ブリクーとその時代』」に記述されていた書物です。大田誠彦は、この書物について次のように説明しています。
●「デルバールからプレゼントされた「鳩の飛翔原理」という1937年刊行のベルギー最古と思われる著書のなかに、ブリクーの代表鳩の写真が紹介されています。ヨス・ソンビエールとファンデル・シュケルデンとの共著で、ブリクー始めスタッサールやポール・シオンなど、当時の偉大なチャンピオンが掲載され、またその主翼の実寸大のスケッチが掲載された真に貴重なる一冊です。」
モーリス・デルバールが日本に来日した際にプレゼントしてもらった資料で、当時の記事には「今から40年前のレース鳩専門書」として説明されていました。1937年発刊の書ですので、2020年の現在からすると80年ほど昔の書籍と言うことになります。
Dr.Bordeauxのレース鳩に関する資料が余り存在していないことから、この『レース鳩の飛翔能力(L'aptitude au vol du pigeon voyageur. Reliure inconnue janvier 1937 )』に取り上げられているこれらのブリクー鳩の翼の資料はとても貴重なものと言えます。
特に、この5羽については、当時、誰もが知っているほどの銘鳩だったと考えられます。
(A)ドクター・ブリクー鳩舎 ビユグリ号 B27一263603 ♂ (B)ドクター・ブリクー鳩舎 リボンヌ号 B28一303973 ♂ (C)ドクター・ブリクー鳩舎 エカイエ4 B31一303806 BC ♂ (G)ネストール・トレムリー鳩舎 ノアール・ブリクー号B31一320965 DC
しかし、残念なことに、翔歴については添付されている画像資料で分かりますが、どのような系図の鳩なのかは読み取ることができません。何かご存じのことがあれば投稿していただくと助かります。
特に興味をそそるのは、(G)ネストール・トレムリー鳩舎 ノアール・ブリクー号B31一320965 DCです。ミュニエ号の母親がトレムリーの血統でしたから、関係がある可能性がありますね。羽色がDCと言うところも気になります。ブリクーの代表鳩Jules Cesar(ジュール・シーザー)B21-477203が黒胡麻と言うことですから、このノアール・ブリクー号B31一320965 DCは、Jules Cesar号にかなり血統が近い鳩なのかも知れませんね。 |