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 2022年配合 源流ゴジラ×帝王GNクイン  イレブン  2022年11月21日(月) 21:17
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 帝王ゴジラ号の両親 【源流モンロー号】×【帝王1918号】  イレブン  2022年11月21日(月) 21:33 修正

 帝王GNクイン号の父【帝王三代目号】  イレブン  2022年11月21日(月) 21:35 修正

 イレブン専用資料  storage room   2022年11月20日(日) 3:18
修正
《pw》 breed :J.Louis.Opel

















○『THESECRET OF EYE-SIGN』『A Practcal Approach to the Study of Eye-Sign』




   MIT  2022年11月20日(日) 11:15 修正
やはりオペルのRCのイエローがかった黒の点が少なく、スタンスの良い鳩は良いですね。

キープセーク、ホワイトアイ、ブルドッグオブオペルは良く飛びましたね。

 キープセーク  イレブン  2022年11月20日(日) 17:27 修正

 ホワイトアイ  イレブン  2022年11月20日(日) 17:28 修正
・イレブンは、この目が、ウエッジの輝く「白」=「プラチナ」の「銀目(石目)」だと思っております。

 ブルドッグオブオペル  イレブン  2022年11月20日(日) 17:30 修正
・これが本物の「ブルドッグオブオペル」の画像です。独特の茶胡麻模様です。

 9117  イレブン  2022年11月20日(日) 17:31 修正
こうして並べてみるとオペルの栗は本当に魅力を感じますね。惚れ惚れします。

 3622  イレブン  2022年11月20日(日) 21:51 修正

 巨匠・名人珠玉選集:【完全復刻引用研究版】伊藤凱三『口伝・鳩学事始』No:008(『愛鳩の友』誌[1995年7月号P150〜P153より引用])  イレブン  2022年11月18日(金) 4:37
修正
※編集中




◇◇◇◇◇◇ 名匠の実践講座 「その7」伊藤凱三 ◇◇◇◇◇◇◇◇

気の滅入る梅雨の時期は、欲しかった鳩を手に入れる絶好機だ、と名匠は示唆する。
気が滅入っているのは銘鳩の持ち主も同じことなのだ。
オフ期の今も、名匠は若鳩とのコミュニケーションに余念がない。
撒き餌で手なずける「コンパネ作戦」然り。
巣房に手を入れて長距離向きか短距離向きかを見分ける「前進後退チェツク」然リ。
…すべて根底に流れるのは愛鳩精神であった。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




 ◆◆◆ 鳩舎でライン引き ◆◆◆  伊藤凱三  2022年11月18日(金) 4:46 修正
 そろそろあちこちで祝勝会を開き始めているころかと思います (註 1 )。私なども出席しては、よう飲みますからねえ…。言いたい放題の会になりますが出席したらしただけのことはあるものです。
  負け惜しみしながら、「秋こそ。来春こそ」という気になっていくわけです。

※註 1…編集部注。講師の伊藤氏は今春の地区 C H700 Kで総合3、5、6位と大活躍されました。

◆◆◆ 鳩舎でライン引き ◆◆◆

 レース鳩の大敵、梅雨の時期が来ました。北海道の鳩舎には関係ない話ですが参考までに耳を傾けて戴きましょう。鳩の毛質はニカワ質ですので、水分を吸ってしまうと傷みやすい .のです。またエサにカビを生やさないためにも梅雨の対策が重要です。もっとも、鳩舎の中に空気が流れていればどうということはないと私は考えております。

 空気の対流を絶やさないために、換気扇をまわすとよいと思います。換気扇の風と通風口からの風が鳩舎に流れます。風が直接鳩群に当たらないほうがいいですから、換気扇の前にベニヤ板を立ててワン・クツションおくようにします。

 湿気対策として、床にカキガラや石灰粉を撒くのもいいでしょう。細菌感染の予防にもなります。カキガラはプラスリンに入っているくらいの大きさのものを使います。ニワトリのエサとしてこちらでは20キロ600円位で売っています。撒いたものをついばんでいるヤツも見かけますが放っておきます。

 石灰粉は小学校や草野球でライン引きに使うあれです。園芸用品として売っています。軍手をはめて床にこすりつけてやるほか、水でゆるめて刷毛で壁や柱に塗り付けると効果が大きい。実のところここまでやることもないような気がしますが、気休めというかお守りのような意味でやっております。週一回くらいの割で、飲水器に石灰粉を一つまみいれてやってもいいですね。

 病気について。この時期はヒナが巣立ちを終えて鳩舎にどんどん入り密度は高い、選手鳩はレー|ス疲れ、後日帰りで病原菌は持ち帰ってくると病気が発症する条件が揃っています。あらゆる病気がー番出やすく、予防にこれ努めます。普段はクスリは使わん主義の私も自説を曲げる時期です。

 処方箋に従って病気ごとに予防薬を飲水器に入れます。飲水器に入れただけなので、当然たくさん飲む鳩と飲まん鳩が出てくるわけです (註 2 )。ベルギーでは一羽ずつにやっているとも聞きますが、そんなに手は回りませんのでこれ以上はほっておきます。基本的には、生きものとして自分で治すべきです。

 次にエサの管理と与え方です。買ってきた20キロ入り大袋のエサはこの時期は直接床に置かないようにしています。コンクリー卜の床はひどく湿気を持っていますので、中のエサがカビてしまう。カビは毒です。病原菌の巣窟となり、特にワカからやられます。エサの袋は床から50センチ位の高さの風通しのよい棚に置いておきます。

 この季節はエサにコクゾウムシがわくので殺虫剤(だと思います)で燻蒸してあります。これをこのまま与えると鳩が下痢をする原因となりますので、 必ず天日に干してからやります。私は、赤ん坊にお湯をつかわすような大きめの金ダライに入れて半日風を通しています。そのあとは茶箱に入れておきます。ふたがしっかりできる箱であれば何でもかまいません。 置き餌の場合、特に大麦と小麦はエサ箱に残しっぱなしにしてはいけません。すぐに湿気を含み、食べると消化不良の原因になります。

 私の鳩舎では撒き餌です。以前は直接床に撤いていましたが、数年前からはエサ撒き用の台を使っています。これは、たたみ一畳位の大きさのコンパネ(註3)を半分に切って両面に淵を付けたもので、私の手作りです。四角いちゃぶ台に淵が付いたものを想像してください。表に向けた方の淵でエサがこぼれないようにし、裏側の淵は台の足替わりになります。くるっと引つ繰り返して両面同じように使えるので、乾いた方を上にしてエサを投げています。フンをする床に撒くより清潔で気持ちがよく、自画自賛しながら使つております。

 ◆◆◆ 今こそ目ざす鳩にアタック ◆◆◆   ■■■■  2022年11月18日(金) 4:49 修正

 水浴びは五日に一度くらいの割合でさせます。させないでいると、ヒナ鳩が飲水器にクチバシをつっこんで、水を体になすりつけるような仕草をいたします。極端な場合は飲水器のまわりに鳩が群がって同じようにもぞもぞやっておりますので、さっそく水浴の手配です。前日の残り湯 (註 4 )に防虫用に塩を一つまみ入れて浴びさせます。冬から春にかけてはお酢を入れて疲労回復させました (五月号参照 )。鳩もいろいろな調味料のお世話になります。 
註 4…残り湯はさら湯よりミネラルが豊富…な訳ではない。単に、もったいないから。それに程よいぬくみがあります。       

 私の住んでおります九州地方はとくに長く本格的な梅雨です。さぞかし本腰を入れて立ち向かわなければならないかと思われていますが、私自身はさほど気にしてはおりません。飼い主が梅雨でどうにも陰気臭くて参ってしまい、その目で鳩を見るものだから、余計に何かしてやらねばという気持ちになって対策に追い立てられるのでしょう。

 レースが終了したこの時期は種鳩導入のチャンスです。普通は秋から年末の、配合の前になってタネ探しに入る人が多いのでしょうが、ちよつと目が利くのでしたら、今の時期がいいのです。

 というのも、元の持ち主をオトシやすいからです。誰しもいい種鳩は出したがりません。ですが、不本意なシー|ズンで歯 みしている人、ガックリきている人にはアタックのし甲斐があります。引いて、た子がダメだったり、鳩が老齢化しているのが気になっていたりで、うまくすると意中の鳩が手に入りますよ。そういう一生懸命交渉して手に入れた鳩は大事に飼いますね。向こうが売りたいこっちが買いたいで、サッと買えると、芸がありません。

  私は主に「愛鳩の友」で、これはという鳩を探します。近所の口コミでは全国誌の情報量とは比較になりません。本で自分の鳩舎の系統に合う血統を探して出掛けていきます。

 友だちと一緒に、一番遠くは東京までも出向きますよ。直接見んで、交渉まで全部自分でやるようにしています。特に近親交配で飛んでいるような血統に目を付けます。近親交配の弊害が少ない系統が系統としての成果、評価が固まったものですのでそれを探します。今は「鳩飼いの数だけ系統がある」ような状況ですが、私の言うのはそのもっと”奥の奥“、ブリクー、ローガン、オペルなどを指します。近年はヤンセンにも凝っております。019の孫など何羽かいますね。ヤンセンは使い易く、人なつこいので、飼っても飽きがきません。

 最後に申し上げますが、種鳩を貸し借りしたり、交換して導入するのはやめたほうがいいと思います。お金をかけずに手元に入れたトリは他にあげたり売ったりしづらいものです。子を引いても売りにくく、トラブルのもとになります。お金でやりとりすれば取引と割り切れますが、もらった鳩は生きものとして命を全うさせなくてはなりませんから。

 ◆◆◆ エサやりの楽しみ ◆◆◆   ■■■■  2022年11月18日(金) 4:54 修正

 若鳩が選手鳩舎で成鳩と一緒に暮らし始める時期になりました。私の鳩舎では強風の日、夕方の雨降りには舎外はしません。体の冷えから体調をくずし、病気信になりやすいのです。また、鳩舎の上空がちょうど博多方面の訓練コースに当たるらしく、晴れた週末の朝は舎外をやめます。集団失踪してしまいます。

 楽しみなのはエサの時間です。先述のコンパネのエサ台にエサをー摑み撒いては食わせをゆっくり繰り返します。ひと撒きするとワツと食いついてすぐに無くなります。鳩はこっちを見上げますから目があったヤツの方に投げてやります。ヒナが慣れるまで続けます。こうするとエサは飼い主がくれるものだということを覚え、手から食べるまでになります。

 ヒナの警戒心を解くために、鳩舎の中での動作はゆっくりと行います。巣房にいるヒナのクチバシをゆっくり触ってみたり好物のエサを二、三粒ずつ与えたりしてスキンシップに努めます (註 5 )。このとき巣房の一番下の鳩からエサをやり始めます。上の鳩がよく見ており、次  
※註 5…我が師、故・藤田雅昭氏は根っからの鳩好きでした。冬生まれのヒナの巣房に湯たんぼを入れて暖めてやったほどです。
 
 巣房に手を出すと、パツと床に降りるのと、奥に後ずさりするのの二通りがあります。前者は前へ前へと進むタイプ。スピード・レーサーの素養を持っています。そして後ずさり型は長距離レーサー|になる可能性が大きいです。基本的に生き物は後ろへ下がることはできないものですが、これをこなすということは大変りこうだということです。長距離を飛んでいて方向が分からなくなった場合、元に戻って方向判定をやり直せる固体だけが帰ることができる。とにかく前へ前へと突き進む鳩では帰れません。

 無記録の種鳩を選ぶにもいい時期です。雌同士、雄同士で生まれた雛のどちらかに割といいのが出ます。また、いつまでも童顔をした鳩にも目を付けます。子供っぽい顔をしているということは、オクテ、つまりゆっくり大人になるというこどです。大器晩成に期待できます。あとは両親に似ていない鳩。近親交配で、灰胡麻同士を掛けて灰が生まれた場合などは喜んでおります。もともと灰胡麻が主体だったのに、灰の方が優勢になった系統はよく飛んでいるようです。勢山系、今西系然り。見た目にも明るい、いかにもエネルギー溢れるような、期待できそうなものがよく出ています。

ところで以前の連載では、「 (病気になった若鳩は )早い時期に淘汰致しております」 ( 83年7月号 )と書きました。訂正します。殺生はいけません。生きている鳩は色々教えてくれますが、死んでしまったら萎んだ風船と同じです。若鳩を治療することは飼い主にとつて貴重な経験になりますので、是非治療してやつてください。病気はフンで判断し、薬を投与します。ヒナは薬が効きやすく、成鳩の3分の1の量の薄さで治ります。

 良い鳩ほど病気にかかりやすいものです。人間でもそうですが、頭がいいか体が強いかどっちかです。体が良くなければ、治して鍛えればいいのですから、病気にかかりやすい頭のいい鳩を大事にしてやってください 。

 【関連資料1】■高温、多湿は羽を痛めますので、換気に十分にしてください。  ■ 伊藤凱三 「今月の管理 西日本地方 6月 」(愛鳩の友1983年6月号P208〜P209)  伊藤凱三  2022年11月19日(土) 12:02 修正
春季レースもおわりです。・優入賞の方方、おめでとうございます。

 私は六月を反省の月にしております。反省が多い程、闘志も大きく燃えてきます。

 私の鳩舎では成績の良いシーズンの時は種鳩の質が低下しています。。勝って兜の緒を締めよ″の諺どおり、そういう時も優入賞鳩舎見学、祝賀会出席等で先輩の話に耳を傾け、来春に向けて種鳩導入の準備を致します。

 レース鳩にとって一番嫌いな梅雨前線の停滞の月ですが、鳩舎内に空気さえ流れていれば別に心配はいりません。

 床に貝殻を撒いて足の汚れを防いでおります。広島地方ではカキの殻をあける職業の人に喘息の患者が多いそうです。飼育者でアレルギー、喘息の人はカキ殼の与え方を工夫して見てはどうでしょう
か。

 新しく新建材で鳩舎を建てられた方は今年の梅雨には強制的に換気する必要があります。ホルマリン、尿素をはじめいろいろな薬品が使われており、羽質が悪くなります。

 夜、一度鳩舎に、電気を消して三十分位静かに座って見ませんか。ネズミ、ゴキブリ、フソ虫等安眠防害の音が聞えてきます。ぜひ退治して下さい。また南洋材(ラワン)で棚を作っている鳩舎は鳩の脚が冷え又小虫の巣になりますので、作りかえた方が良いと思います。

 水浴の後の水にクレゾール液を入れて鳩舎を拭きますと消毒と同時に小虫も居なくなります。動物用のネグホンでもかまいません。

 換羽の前は老鳩または近親交配に一番適した時期です。未来の種鳩を作出するのも鳩レースの楽しみの一つです。

 南九州の梅雨の時期に一度行ったことがあります。床から水分がにじみ出てきますが、地元の飼育者はあたり前で気が付いていません。私も反省。

 毛質はニカワ質で出来ていますので、高温、多湿に弱く、羽をいためますと呼吸器も弱くなり長距離帰れませんので工夫して下さい。

 巨匠・名人珠玉選集:【完全復刻引用研究版】伊藤凱三『口伝・鳩学事始』No:007(『愛鳩の友』誌[1995年6月号P216〜p219より引用])  イレブン  2022年11月17日(木) 3:57
修正
※編集中


◇◇◇◇◇◇◇◇◇名匠の実践講座その6 講師=伊藤凱三◇◇◇◇◇◇◇

トリは鳴いているか?さあらば勝てぬ、と名匠は厳しい顔をした。
なぜ愛鳩はテグス糸とみまごうシロモノを足に巻き付けて帰ってきたのか。なぜ川面に放ったワカは帰らなかったのか。
いともたやすく悲しい運命にあう、レース鳩である。
レースーシーズンも終わり、反省と誓いの季節が来た。
謙虚に勝者に耳を傾けよ。
頭を垂れて訪れよ。名匠直伝の「鳩の掴み方」をご披露しよう。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 ◆◆◆ 耳が張り、白い指に ◆◆◆  伊藤凱三  2022年11月17日(木) 4:05 修正
 冬の間、満を持して備えていた春レースですが、あっというまに終わってしまうものです。悔いの残らないシーズンなどありません。
 優入賞した方々、おめでとうございました。勝って兜の緒を締めよ、ではないですが、レース終了後の勝因分析、種鳩の補給などの作業を手抜かりなくすすめてください。

◆◆◆ 耳が張り、白い指に ◆◆◆

 もう長距離まで終わってしまった地区も多いでしょうが、来季の参考までにレース直前の調子を見極めるポイントを話したいと思います。

 これならイケル、というのはまず「耳のハリがいい」もの。鳩の耳は目のななめ下にあいており、その近くの羽根毛は槐いたようになっています。調子が上がり、ピークに近づいてくるとこの羽毛がぴんとした感じに立ってきます。音に対する反応は鋭さを増し、同時に首が細く引き締まってくる。全体に敏捷になります(註1)。

※註1……競馬馬でもまったく同じです。

 首と腰は密に連動していますから、首が締まれぱ腰の締まりもよくなってくるものです。

 鳩舎、鳩ともに雰囲気は次第に張りつめてきます。鳩は鳩舎の中で他の鳩と出会うのを嫌うようになって、ピリピリします。それまではつっつき合ってケンカしていたのが、出会うと両方が驚いたように立ち止まります。とにかく接触せんようになって、そういう時には身動きもあまりせず、鳴き声も聞こえませんね。鳩が鳴いているようだったら、1000キロで芳しい成績は出ません。

 長距離の持ち寄りが近くなったら、神経質な鳩以外は一日に1回掴んでみて、調子の良し悪しを判断します。最後に見るポイントは足の指とフンです。

 指は、レース帰還直後はやせてザクロの実のような色をしています。次第に疲労がとれてくると、指がふっくらとしてきます。体調の上昇と共に体温が上がると、ザクロが白に変わってきます。脂粉がのって粉をふいた状態です。水浴してもすぐに指が白くなるようでしたら体温は相当上がってきていますね。白を通り越すと指は赤黒く引き締まってきます。こうなったら状態は最高です。指の色の変化をよく読み取ってください。その時胸筋は疲労時の紫色からピンク色になっています。

 またフンは、大きいのをしていたのがだんだん、水分が無くなって小指の半分くらいに小さくコロコロしたものになります(註2)。これで完成です。
※註2 呼吸が早まって水分を出すからか、或いは内臓に脂肪がついて腸が細くなり、フンも細くなるからか。


 ◆◆◆ 炎のランナー ◆◆◆  ■■■■  2022年11月17日(木) 4:07 修正

 反対に次のような鳩はレース参加をおすすめできません。

 まず、鳩舎内で止まり木(巣房)を2つ以上取る鳩。こういう鳩はケンカでも負けず、一見調子が良さそうに見えますが、実は帰ってこないことが多い。巣房を一つに決めない、つまり自分の居場所 (縄張り)を広げようとする行為は。帰巣本能の対極にあるものです。実際問題としても落ちつかない、無駄なエネルギーを使う行動でもあります。期待できない鳩です。

 卵を3回以上産んだ鳩も長距離には向きません。これは何となく感じでわかるでしょう。数多く産卵すれば皮下脂肪が乏しくなりますから(註3)、帰れないのは明白です。体の大きさに比べれば決して小さくない卵を、それもミネラルから何からたっぷり入ったものを産むわけですから。千キロでは、鳩はまずカロリーを、次に内臓の脂肪、筋肉のタンパク質を、最後の最後に皮下脂肪を燃やして帰ってくる。燃料不足で長距離に挑むのは、貯金がないのに豪邸を購買しようとするに等しい暴挙です。

※註3 恋愛をしたときも、皮下脂肪を燃やすのでやせるものです。



 最後に、左右の鼻コプのバランスが悪い鳩も要注意です。鼻コブは左右の肩から主翼のスジヘ、そして腰から足のスジヘと連動しているものです。各所のスジを傷めるとコブが曲がり、左右で大きさと形が違ってくるのです。スジを傷めた鳩で勝てるわけがありません。

 昔、スジをひどく損傷しても帰ってきたのがいました。たとえば天気が悪い時にエアーポケットに入ってしまい、足と羽根のバランスが狂ってスジを切ったのかも分かりません。人間で言えば、アキレス腱を切った長距離ランナーというところ。これが帰った。よく見ると足に細いビニールの糸のようなものを巻き付けている。糸と見えたものが実はスジで、引っぱると足指が動きました。よくぞ帰ってきたとほめてやって、タネに降ろしました。

 鳩は足でバランスをとって飛んでいます。片足を傷めたらヨロヨロになる。人間でも走るときには腕でバランスをとるでしょう。ましてや、鳩は全方向から風を受けつつ空を飛ぶのです。スジは命取りになる。コブをよく見てください。


 ◆◆◆ 過保護鳩の末路 ◆◆◆  ■■■■  2022年11月17日(木) 4:09 修正

 長距離を帰還してくる時、一番いいのは自鳩舎の屋根の上に落ちてくるトリです。エネルギーをきれいに使い切っての帰還、ご苦労様というものです。逆に、余裕を持って帰ってくるようなのは遅くて、褒められたものではありません。

 帰ってきた鳩の疲労をとってやるにはもう一度1000キロに参加させるつもりで調子を上げてやることです。生き物ですから気候が良くなれば自然と調子は上がるのですが、飼い主も意識してかかることです。エサや舎外など手を抜かずにやってください。

 また、もういっぺん調子を上げてやることで、鳩が目一杯力を使って帰ってきたのか余力を残していたのかも分かります。力を使い切った鳩はなかなか調子が上がりませんが、来年に期待できるので大切にしてください。

 レースーシーズンを終えた鳩をすぐに種鳩鳩舎に入れて休息させる人がいますが間違いです。そんなことをしたら、手羽(主翼)がたとえばIセンチ伸びるところが5ミリ程度にとどまってしまいます。体も無論のこと、生き物としての成長に関わると思います。ゼイ肉が付きやすい、太めの暗愚な鳩ができあがってしまいます。

 試しにそんな鳩を秋に舎外させてご覧なさい、猛禽類の餌食になりますから。特に1000キロを飛んで帰った、まだ疲れを取りきっていないトリからやられます。泣きたくなります。      ’

 ◆◆◆  掴み方指南 ◆◆◆  ■■■■  2022年11月17日(木) 4:12 修正

 すべてのレースが終了したら、なによりもまずきちんと反省することです。訓練、短・中距離、長距離と流れに乗れたか、鳩は常にベストの状態で参加できたか。レース毎に帰還率、スピードと気象データを記録します。新聞の全国天気図を添えておくといいです。

 短距離から、卜″プ集団(註4)に入るクセをつけておかないと、最後まで勝てません。つまり全レースに一生懸命臨まないといけない。こうすることで、優入賞者を心から祝福する気にもなろうというものです。

 負け惜しみを言っている暇があったら祝賀会にどんどん出るべきです。勝った人の話は聞く価値がありますし、飛んだトリを拝見し掴ませてもらえる絶好のチャンスです。たとえ平生「あいつにだけは掴ませるものか」と言われていても、祝賀会の場ではそうもいきませんから、この隙を狙います。

 そういえば、鳩舎を訪問しても鳩を掴ませてもらえないという声をしばしば聞くようになりました。世の中がせちがらくなったというより、今まで簡単に掴ませすぎたのではないでしょうか。基本的には鳩を他人に触らせていいことはありません。それを曲げてお願いするのですからそれなりの礼儀が必要ですし、掴ませてもらえたら最高の幸せと思わなくてはなりません。

 鳩はふくらますように軽く持ちます。ですが、ひどい人は指で足を強く固定し口は無理やりこじあけて見る、背中を押さえて油脂腺からは脂を絞り出す、竜骨は押さえながらこすって内出血する、恥骨は押して弾力を見る、主翼は引っ張って出す…。一体鳩の何を見ているのか。

 (註5)みんながやっているからとマネしても鳩には大迷惑です。
 我が師、「オマンさん」こと藤田雅昭氏は「どんな鳩でも飛べるようになっている。帰ってこないのはお天々(頭)が悪いからだ」と常々言っておられました。

 鳩はバランスです。自鳩舎の鳩をよく見り握り方を研究してから出掛けていくきです。

※註5 私の鳩舎に来る人はいません。『握り方から文句を言われるから』とこわがられているようです。

 ◆◆◆ ラジオの雑音に注意 ◆◆◆  ■■■■  2022年11月17日(木) 4:13 修正

 よその鳩舎を訪問するのは一番の勉強になりますから、礼儀を心得れば臆さずどんどん出向きましょう。ただし先入観を抱かないこと。鳩のタイプなど自分の価値観と一致しないことだらけですから鳩そのもの、鳩舎構造そのものを白紙の気持ちで拝見するのが肝心です。

 この時期は馴致を終えた若鳩が次々と選手鳩舎に入ってきます。若鳩は一回10ハグラムぐらいのエサで満腹にします。うまく飲水器から水を飲めず、下痢便をすすっているワカを見つけたら飲水器に首を突っ込んでやればそこから飲むようになります。またフンがゆるんだワカはストレスをためているので、2、3日バスケットに移して下さい。

 成鳩の朝の舎外が終わる頃に、ワカを到着台に出してやるのを3日繰り返します。その後、初めて舎外をさせます。

 ワカに訓練をかける時の注意です。小さい川でも川の近くを避けてやること。川面には気流の乱れがあります。また放鳩に行く途中、カーラジオに普段は入らない雑音が入るようでしたら(註6)、訓練は中止したほうが無難です。地磁気の関係なのでしょうか。太陽に黒点が出たり、地震の時なども、レースに当たると帰りが悪くなります。

 ワカ、成鳩とも、レース鳩には10時間の睡眠時間が必要です。この時期は次第に夜が短くなるので鳩は寝不足になりがちです。主翼の軸に横のシワ、または節のようなものが現れるようでしたら、睡眠が足りない証拠です。夜間、鳩舎に光線が入ってしまい、鳩が目を覚ましていざのです。早速、光が入り込むところを探して、暗幕などで遮光してください。このとき換気を妨げないようによく注意してください。

※註6 タクシー運転手をしているので、雑音の入りやすい場所はよくわかります。


 撮影の季節2022ー@  イレブン  2022年11月14日(月) 20:48
修正
換羽がほぼ完了し始めました。鳩が一年で最も美しい季節となりました。

 撮影の季節2022ーA  イレブン  2022年11月14日(月) 20:51 修正
上画像:【源流ゴジラ号】
下画像:【帝王GNクイン号】

 撮影の季節2022ーB  イレブン  2022年11月14日(月) 20:54 修正
上画像:【源流SSプラチナ1号】
下画像:【黒翡翠号】

 撮影の季節2022ーB  イレブン  2022年11月14日(月) 20:59 修正
上画像:【源流473号】
下画像:【モスクワU号】

 巨匠・名人珠玉選集:【完全復刻引用研究版】伊藤凱三『口伝・鳩学事始』No:005(『愛鳩の友』誌[1995年4月号P136〜p139より引用])  イレブン  2022年11月14日(月) 4:03
修正
※編集中

◇◇◇◇◇◇◇◇◇名匠の実践講座その4 講師=伊藤凱三◇◇◇◇◇◇◇

逃げ隠れせずに待っていれば、愛鳩鳩舎さして一直線に帰る。先頭心つて飛んで来たそのトリを讃えよ、と名匠は力説する。期待し、裏切られ、そして失い、それでも鳩を飼う。思うこと多きレースシーズン最盛期である。塩土を手作りし、鳩をよく観察し、楽しき春レースも戦いに挑もう。ここにもまた秘訣がもらされた。「イヤリングの後日帰りは楽しみだ」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇  伊藤凱三  2022年11月14日(月) 4:09 修正
中距離レースたけなわと思います。今頃に天候が不順になるのを菜種梅雨などといいますが、こういう時のレースで帰還率が悪いと役員に責任をなすりつける人がいます。やめてほしいものです。レース参加者なら自分で天気図を作り、天気、気圧、温度、風力、風向の流れを掴んで判断するべきです。天気の読みもレースの一部なのですから。若鳩には酷ですが、成鳩ならジャンプすることで疲れが残らず、長距離にいっていい結果が出ることもあるのです。

 大体、晴天に強い鳩舎が悪天の放鳩で文句を言うものです。悪天に強い鳩舎はといえば、晴天の放鳩では勝てません。
 天気の責任を押しつけると、役員が育ちません。嫌気がさしてやめる人もいるのではないでしょうか。

 ◆◆◆「青菜に塩」のススメ ◆◆◆  ■■■■   2022年11月14日(月) 4:14 修正
 エサは市販の飼料に大麦を3割混ぜたものをやります。中距離までは、心掛けてタンパク質は控えめにします。タンパク質を多めにやるとカルシウム分か排泄されてしまい、日照時間の少ない北日本では容易にカルシウム不足になります。人間と同じで落ち着きがなくイライラして、果ては骨格の弱い鳩ができます。

 カルシウム分が排泄されると、フンはコロコロとした白っぽい固まりになります。いいフンになるからとタンパク質を与える人がいますが間違いです。マメ類は多少必要とはいえ与えすぎないよう注意してください。

 鳩は塩分がたいへん好きです。普通のエサ、青菜、塩分、水分が食事の柱ですが、私の鳩舎では青菜に塩を振って与えています。大根葉に天然塩を振り、カキガラとゴマかナタネ(註1)をまぶしてやります。大根葉ではなくニラに塩を振るとしんなりして歯ごたえが悪くなり、鳩は食べません。

 鳥類の中で鳩だけが海水を飲みます。また、余談ですが鳩だけが水を吸い込むようにして、ゴクゴクと飲むのです(註2)。ほかの鳥はクチバシを上に向けて流し込みます。

 塩土は市販のものもありますが、レースに力を入れている人はおおむね手作りしているようです。入れるものや配合をあれこれ工夫するのが難しくもあり、楽しみでもあるのです。私のところでは次のようにやっていますので、参考にしてください。
 用意するものは、@赤土AカキガラB木炭(消し炭)C赤レンガD稲ワラE塩…です。@赤土は赤松の生えている所の土が最高ですが(註3)、地方によっては赤土そのものが手に入らないかと思います。その場合は古い家を解体した時に出る壁土が手に入ったら何よりです。楢や樫の木の腐葉土も代わりになります。

※註1……大根葉に含まれるピタミンAは油分と一緒に取ると吸収がよいので、ゴマ、ナタネを混ぜます。

※註2……子供に鳩車や鳩笛などの鳩のおもちゃを持たせるのは、食べものをのどに引っかけないで鳩のように飲み込むように、というお守りです。

※註3……自然農法では、ワラと赤土を混ぜて田んぼに撒きます。赤土 には浄化作用があるそうです。

 ◆◆◆ 力キガラの秘密 ◆◆◆  ■■■■  2022年11月14日(月) 4:17 修正
 Aのカキガラはよく乾燥したものを使います。養殖カキの主産地・瀬戸内地方のある強豪鳩舎があまりに強いので、周りがなぜじゃろうかといぶかったことがありました。何でもカキがグッと大きくなる時期がある。それを地元では、「カキガラに芽が出る」と言うらしいのですが、その時期のカキガラを波打ち際で集めて鳩にやっているらしい、という話でした。海岸が砂地に見えても、細かく砕けたカキや他の貝ガラで一杯になっている所がよくあるのです。旅行の折にでも気をつけて見て、持って帰ってはどうですか。次にC赤レンガは、一個を十くらいに割り、飽和塩水に三日浸した後、金ヅチで二、三ミリの粒状に砕きます。またD稲ワラは燃やして灰にします。
 
 すべての材料を合わせて混ぜ、水を入れて固めます。赤土は作り置きがきき、古いほどいいので、たくさん作ってできれば赤土に埋めておきます。カップ入りのヨーグルトの容器などで固めて幾つか並べて与えます。

 塩分が多いと固くなりすぎ、水分が多いとこれも乾いた時に固くなります。かき混ぜすぎても固まりになってしまいます。水を入れる前によく混ぜ合わせてから手早く仕上げるのがコフです。カキガラが多いとふんわりした塩土になり、ポロッとくずれて食べやすいようです

 ◆◆◆  後日帰りに乾杯?! ◆◆◆  ■■■■  2022年11月14日(月) 4:18 修正
 レース期間中のエサの量は、強制舎外か自由舎外かによって違ってきます。以前は自由舎外でしたので、食べたいだけ食べさせて、レース2日くらい前に食滞を起こさせて参加させたものです。

 私のいう食滞とは、エサを十分に食い込ませてもう食べないくらい腹一杯になった状態のことです。現在は強制舎外をさせておりますので、鳩には何一つ余分なものは付いていません。日に20グラム与えれば、これを使い切ってしまうだけ舎外で飛ぶ。エサの量をだんだん増やすと、余分なエネルギーを使い切るために鳩は舎外のスピードを上げるので、レース直前に最高潮になるようもっていきます。エサの量を抑えて帰巣心を強めようとする方法も聞きますが、耐久戦になりそうな場合や長距離では、食べさせないまま参加させるのは危険です。

 強制舎外の鳩は常に余分なエネルギーを持っていませんから、エサの量を増やしすぎないよう注意することです。レース前に早くから食滞を起こし過ぎると、肝心のレース中にスタミナ不足になってしまいます。持ち寄りの朝、腹一杯食わせ、夕方は与えないまま参加させるとよいと思います。

 レース前のエサとしては、私はアサの実(註4)を工夫してあたえます。これは中距離までに使うならバランスの整ったエサです。調子を早く上げたいときは多めに与えますが、長期間、または多すぎる量をやると効き過ぎて興奮状態になってしまう。エネルギーを消費してしまい、逆効果です。総量の1割以上にはせず、2日くらいやれば十分です。鳩の好物で際限なく食いますから、粒で数えて与えている人もいます。

 レース前にはクスリは一切与えていません。私は元来クスリは毒だ位に考えていますから、世の中鳩の世界に限らず、クスリのやりすぎだと思います。皆さんクスリで成功し、また失敗しているんですね。パラミクソのクスリだけ支部で最初の年にやりましたが、その後だれも出た様子がないのでやらなくなりました。

 鳩でも、腸内細菌が狂ったら帰りませんもんね。最近、あまりにも帰心ないような気がします。クスリでもって。もともと持っている優れた機能をダメにしているのではないでしょうか。

 昔、クスリに頼らないころでも、鳩は遅れながらも帰って来ていました。後日帰りで土に降りて自然のものをたくさん食べていたからか。翌年から肉の付き具合もよくなり、力のある鳩になっていった。仲間うちではよく、1年目に遅れるといいぞ・:と楽しみにしたものです。

 生き物を小屋で飼い込んでいる以上、何かが足りないはずです。それを人間が見つけて与えるのがコツです。赤土で塩土を作るのも。その一環です。

※註4 エサ用のアサの実はすべて輸入物。焼いていないと販売できませんか焼きか足りずに発芽することもあるそうです。私は栽培したことはありません。大麻取締法違反です。


 ◆◆◆ どう戦い抜いたのか ◆◆◆  ■■■■  2022年11月14日(月) 4:19 修正
 私は鳩の帰りを鳩舎の中、トラップの内側で待ちます。入ってこなくても、隠れて待ったりはしません。人間の姿が見える鳩舎に入舎してくることも、訓練の一種ですから。最後の、1000キロ以上のレースになってくると、鳩のほうで人に寄ってきます。

 一番に帰ってきた鳩は急いで捕まえて記録します。急いで帰って来た鳩を相手に、今度は人間がすごいスピードでやりますよ。二番目以降は、水を飲んだ後に掴みます。一番のはしょうがないとしても、あまり急いで捕まえると次のレースから入舎が悪くなります。

 記録すればそれで終わりにしないで、帰って来た鳩をよく観察しましょう。一番手はかなり疲れて帰って来ます。元気良く帰って来たのは、ほかのトリの後ろにつけて飛んできたヤツなので、私はこういうのはマークを外すことにしています。たとえ優勝しても先頭では飛んでこなかったということがあります。二番手にきても分速で勝つ、ということです。今は、勝てばいいという時代ですからこれでもいいのですが、トリが果してどういうレースをしてきたのか、飼い主はよく見極める必要かあると思います。

 鳩は集団になって飛びますが、コの字形やくの字形の先頭を切って飛んだかどうかが肝心です。先頭を飛ぶのは勇気と体力を兼ね備えたトリです。帰ったときは目縁が風のために充血し、はれぼったく膨れています。

 戦い終えたレーサーたちにはすぐに水や先月号でお話した(チミツ、黒砂糖入り特製ドリンクを与えてその日はそのまま放っておきます。翌日に疲れがひどいときだけ、ビタミン剤をやります。翌日のほうが吸収がいいからです。

 疲れがひどいときは見るからに元気のない様子をしていますし、ふくれてみえることもあります(註5)。鳩は体温が高く寒さに弱いので、体温が下がらないように羽根の間に空気を溜めている状態は調子が悪いときです。七百キロくらいを帰ってあまりにも疲れがひどいときはバスケットに入れて家の中で暖めてやります。そういうときはエサや水もとりたがりませんから、バスケットには入れておきません。

 たくさんいるなかで、やっぱり好きな鳩には目をかけますね。逆に早くても嫌いなヤツもおる。相性がありますね。でも、目をかけても、いつも裏切られる。若いときは、悔しくて悲しくて眠れんようなこともありましたが、裏切られ続けて慣れてしまいました。

 でも、落ちた鳩が記憶にある方がいい。思い出すから、それに良く似た鳩が出たら、タネに下ろしたりします。鳩飼いというのは記憶力の勝負。自分のとこの鳩ばかりでなく、よその銘鳩をいつまでも憶えていて、何十年先にも瞬間的に思い出せるといいです。見目形、掴んだ感じを記憶の奥底にしまいこんでおいて思い出すことも大切です。

 帰還後の管理についてもう少し。レース後、舎外訓練を再開する目安を教えます。朝のエサの直前に、鳩の三分の一くらいがバサバサ羽ばたきするようになったら調子が戻ったしるしです。人間がお風呂に入る加減のお湯で温浴させ、夕方から舎外を再開します。

 レース期間中のエサやりや長距離を帰すための工夫についてなどは、来月号でお話したいと思います。

※註5……フクラスズメは死にかけたすずめだ、というのも同じ理由。

 巨匠・名人珠玉選集:【完全復刻引用研究版】伊藤凱三『口伝・鳩学事始』No:004(『愛鳩の友』誌[1995年3月号P137〜p139より引用])  イレブン  2022年11月11日(金) 4:19
修正
※編集中

◇◇◇◇◇◇◇名匠の実践講座「その3」◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

後頭部がハゲた鳩が飛ぶ、短足の鳩は長距離向きだ――ヒナをポイントを教わり、作出の項のしめくくりとしよう。さあ春レース、若鳩をいかにレ‐サーとて仕上げてゆくのか。最も大事な鳩の調子をしっかり見極めるにはどう観察するべきか。いよいよ戦いのステージを迎え、名匠はにんまりと説くのであった。「鳩と仲良くなること。これが一番大切だ」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 ◆◆◆◆  春日局ハト  ◆◆◆◆  伊藤凱三  2022年11月11日(金) 4:27 修正

 配合の話の続きです。

 私の鳩舎では、通常は配合飼料に大麦とコーリャンを混ぜて与えます。交配期の2週間前になったら、3日に1回は朝夕ともこのエサをやめて特別メニューに代えます。ニラまたは大根葉にカキガラ (できれば五年以上のもの)とサフラワー、ゴマをからませ、その後通常のエサに玄米を少し入れてゆきます。玄米は精巣、卵巣を活発にします。

 塩は岩塩、なければ天然塩を映のフライパンでよく焼いて置いてください。焼いてパラパラになった塩ですと、たくさん摂っても過飲水になりません。
 
さてヒナが卵から孵り、楽しみな時期を迎えました。まず、乳ビ(ピジョンーミルク)の出が良いか悪いかに気をつけます(註1)。出が悪いときは、もちろんヒナは育ちが悪いし肌の色ツヤもよくありません。乳ビがよく出ている種鳩と少しの間交替させ、本当の親が出るようになったら元の巣房に戻すこともよくあります。つまり「乳母」ですね。鳩の世界にも、春日局かおるかも知れません。

※註1…鳩が平和の象徴というのは、雌雄ともに乳を出し、一緒に子育てするのもひとつの理由かも。

 一週間くらい乳ビが出て、その。あとは少しずつ普通のエサに切り替えていきます。鳩に離乳食はありません。

 23日目ごろが巣立ちですか、ヒナはまだ飛べません。余裕があれば。巣立ち室’を設けますが、大抵の鳩舎ではそうもいかないので、放鳩用のバスケットで代用します。本当は、放鳩カゴよりもう少し高さかあるほうが飛ぶ練習が十分にできて望ましい。木枠に金網を張って作る人もいます。

 5羽くらいずつ入れて玄関や廊下に置き、通りかかりにあいさつしたり、『元気か』云々と話しかけてやります。エサも水もそこで与えます。3、4日でヒナは人間によくなっき、エサもとれるようになります。そこで鳩舎に移します。

 ◆◆◆◆  禿頭系見参  ◆◆◆◆  ■■■■  2022年11月11日(金) 4:45 修正
◆◆◆◆  禿頭系見参  ◆◆◆◆

まだ18日目から21日目くらいのうちに、外に出たがって巣房から落っこちてしまうヒナがいます。そんな鳩は無理に戻さずに早く巣立ちの用意をしてやったほうがいいのです。どうせまた出たがって暴れ、下に落ちてケガをしたり、酷い場合はほかの巣房に飛び込んで目をつつかれたり、殺されることもあるほどです。戻してもいいことはありませんので、巣立ちの時期だと考えてください。

 一般に、早く巣立とうとする気性の鳩は育ちが早く、こういうトリから銘鳩がたくさん出ているのです。落ちたときに頭を打って(ゲてしまうことがあり、血統書に「後頭部はげ「ハゲ」とか「禿頭(とくとう)]と添え書きしていることもあります。かって私かおりました広島で一番よく飛んだ鳩の系統を称して「禿頭系」といっていた記憶があります。

 こういう鳩では子も孫も巣房から落っこちます。落ちたら、飼い主は喜ばんといけません。

 この他にヒナのポイントとしては、嘴の大きさ(大きいものは卵の中のカルシウムの量が多かった)、うぶ毛の量(多いほうが羽毛の質がよい)、目の構造 (巣立ちの頃が一番分かりやすい。輝きに注目)、目ブチ(透き通ったようなのほどよい)など。

 また生後一週間目位で脚環を入れるときに、スネ(附しょう骨‥=ふしょうこつ=)の部分に着目してください。親指を折って脚環を通す時の感覚で、親指が抜きにくいくらいにスネが短いやっか分かります。こういう鳩は長距離向きです。マークするときのために憶えておいてください。「こりゃあよくなるぞ」というのをヒナのうちから見極めようとすることで選鳩眼が養われます。

 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇  ■■■■  2022年11月11日(金) 4:47 修正
 巣房に巣皿を入れるときに私か実施している工夫をひとつ、披露しましょう。新聞紙を一枚用意して巣皿を包み、真ん中のところをくぼませて巣房に入れてやります。こうすればインキが虫よけになりますし、保温にもよい、もちろんお金もかからない。やがてヒナが生まれて、脚環を入れる頃にまず一回、新聞紙を取り替えます。次に、ヒナが成長して、フンが外に出ているなあと気がっいたらもう一回取り替えます。よく観察する必要がありそうですが、鳩飼いなら皆この時期が楽しみですから、毎日見てまわっているうちに自然とあれこれ分かるものだと思います。

 ◆◆◆◆  寵慣れ、粒慣れ  ◆◆◆◆  ■■■■  2022年11月11日(金) 5:00 修正
秋レースに参加しなかった遅っ子は、春レースのシーズン前、できれば正月から、バスケットに慣れさせんといけません。若鳩を入れ、エサと水もそこで摂るようにして3日くらい過ごすと、暴れないようになります。このとき、ついでに粒の大きいエサを食べる訓練もしてしまいます。ニンジンなどの根菜類、ピーナツ、煎大豆(註2)などは急に与えても食べませんから、バスケットの中で腹をすかしている時に集中的に与え、「味をしめる」ようにします。

 寵慣れしたところで棚の巣房に戻します。このときワカたちはもうピーナツや大豆の味を覚えていて欲しがります。撒き餌にすると際限なく喰いますが、ピーナツの食べすぎは筋肉をゆるめ、スピードが出なくなります。また大豆の取りすぎは体が重くなり、やはり勝てない鳩になる。私は棚にいる鳩に、1羽につき3粒なら3粒ずつ数えながらやっていきます。なにくれと話しかけ、もっとくれというのをなだめます。慣れた鳩は頭や肩にやって来ます。コミュニケーションをとるということが大事ですね。

 次に訓練についてですが、私はあまり訓練はしない方です。個人或いはクラブや仲間と、20キロ、50キロといった程度です。訓練をしたから鳩本来の性能が向上するというものでもないし、成績がよくなろうとも遺伝的要素としては続きませんから。生来の性能を信頼し、後天的に鍛えることに重きを置きません。

 ◆◆◆◆  3500キロの壁  ◆◆◆◆  ■■■■  2022年11月11日(金) 5:10 修正
 1シーズンを通じて、訓練プラスレースで飛翔する延ぺ距離を3500キロとしています。これが、冬の間蓄えた皮下脂肪をちょうど使い果たすくらいの距離と考えます。脂肪を使い果たしてしまってはおしまいです。シーズンを通してどのレースをどう狙っていくのかをしっかりと定めておかないと、すべてがムダになってしまいます。

 3500キロくらい飛んだ、つまり、もう限界に近く疲れてきた鳩を見分けるポイントに、足のウロコと鼻コブの毛があります。皮下脂肪がうすくなってきた鳩の足をよく見ると、ウロコがはがれかかるというか、めくれ始めたような状態になっています。これでは体温調節ができなくなり、体温が下がる一方でレーサーとしては命脈が断たれたも同然です。

 鼻コブの上付近に生えている羽毛が抜けてくるのも要注意信号。完全にハゲはしませんが、薄く、地肌がのぞけるような寒々しい感じになったら、休ませる必要があります。無理にレースに出しても絶対いいことはありません。

 という訳で、7、800キロあたりを狙うのと、1000キロ以上に狙いをしぼってゆくのとでは、自ずと訓練のかけ方も違ってきます。長距離を飛ばしたい場合や、耐久戦をはさんだ場合(註3)はジャンプしてください。

 本当は、ジャンプしないでレースをこなしていくほうが成績は良いのです。私は全レース勝ちたい方ですから基本的にジャンプはしません。また、百キロ程度の距離をバカにしてジャンプする人がおりますが、頑張って参加している学生さんやビギナーの方たちに悪いです。強い人、上に立つ人はそんなことをしたらいかんと思います。「あの人に勝ちたい」という目標があるから参加するのだし、勝った人にも失礼です。

 ◆◆◆◆ 調整と特製ドリンク ◆◆◆◆   ■■■■  2022年11月11日(金) 5:11 修正
 鳩は生き物ですから、放っておけば一年に一回、概ね四月中旬くらいに最高の状態になりますね。幾つものレースに挑ませるのなら、そこを人為的に調節するのが管理です。

 調子の上がり下がりを知るバロメーターとしては、まず体温です。竜骨の横の筋肉がピンク色なら体温は高く、下がると紫色ががってきます。足を触っても体温は分かります。次に肉づき、舎外の飛び方、毛ツヤ、水浴びを好んでするかどうか、エサの食い込み方、そして中間訓練での方向判定なども目安になります。

 調整するのはエサがいいでしょう。抑えるためには脂肪分の少ないエサ(大麦など)を増やしますが、配合率を3〜5%以上変えると調子が急激に下がるので注意してください。過飲水も急に体温を下げるのでよくありません。また、訓練のかけ過ぎは鳩が興奮状態に陥り、調子が上がりすぎることがあります。

 水浴びをしたがるのは調子がいい証拠です。お湯でやるとリラックスするのでそれまでの調子を持続しますし、水でさせるとしゃんとするので上がり調子になります。また雨降りの前などは特に水浴びをしたがるようです。

 レースシーズンに入ったら、私は「発芽するエサ」を心して与えるようにしております。芽が出るということは、生きているエサだということです。大麦、コーリャンなどは芽が出やすいので多めにやります(註4)。反対に他の、「死んだエサ」つまり発芽能力のないエサは中の油分が腐った、酸化してしまったものです。ベルギーではエサが90%以上発芽しないと鳩にやらないそうです。そんなにもお金をかけていいエサを食べさせているのかと、鳩事情の違いを感じます。

 レースのときは、待っている間にお湯で鳩の卵くらいの大きさの黒砂糖を溶かしておきます。黒砂糖はカルシウムが多く、栄養があります。鳩は甘いものが好きですから、この黒砂糖ドリンクをものすごく飲みます。黒砂糖の代わりにハチミツでもいいですが、最近は水飴が混じったは7はハチミツばっかりで純度の高い良いものが少ない、女房が安物のハチミツを買って来るのでよく怒っております。

 最後に「鳩舎は暖かく」。これが最後の秘訣です。換気さえちゃんとしていれば窓など開口部を小さくして鳩を保温してやります。鳩舎の外が見えないと、鳩の精神状態は安定します。用もないのに羽ばたいたり暴れたりしていらんエネルギーを使うということもなくなります。


 【関連資料1】■ レース後、疲労回復のため、五分位温浴させ胸筋をよくもんでやりましょう。 ■ 伊藤凱三 「今月の管理 西日本地方 3月 」(愛鳩の友1983年3月号P274〜P275)   伊藤凱三  2022年11月13日(日) 8:32 修正
 レースも始まり、子育てと忙しい季節に入りました。北部九州は日本海の気候です。天候が変わりやすいので、中間訓練は慎重にして下さい。
 天気が悪く帰還のよくない時、放鳩者や役員を責める人がおりますが、天気図を良く理解してレース参加を取りやめ、パスする勇気を持って下さい。

 短距離の調子があがらない時は、あわてない事です。急に飼料の配合率を五%以上替えますと調子がさがります。日照時間も延び、気温も高くなり自然に調子があがりますので、少し我慢して下さい。

 春のレースは調子をあげるのではなく押さえながらレースをやりませんと、メインレースの600キロか1000キロレースの前にばててしまいます。(もう一度調子を整えるには1ヵ月位かかります)

 特に宮崎県、鹿児島県のように暖かい地方の方は注意して下さい。
 上位入賞した鳩は疲れが激しいので早く疲労回復させ、また第2、第3集団でもトップで飛んだような鳩をよく見極めて熱めの湯に15分聞ぐらい胸筋をよくもんでやっております。マーク鳩、優入賞のチャンスがやって来ます。

 温浴は羽根を少しちぢめます。また羽根の脂分が抜けて悪天レースの失敗につながりますので、水浴4回に一度位の割りで温浴させて下さい。  ヒナが孵化しましたら、巣皿の下に紙巻タバコを平行に置きますと、乾燥しませんし小虫が来ません。

 私は大きな鳩がきらいですので、菜種を多い目にやると成長がある程度止まります。飼料はタンパク質を多めにやるとカルシウムの排泄につながり骨格の弱い鳩になります。気を付けて下さい。

 北部九州の方は山陰地方に放鳩訓練に行った時、海岸におりて見て下さい。砂地に見えますが、数キロに渡って全部貝殻の場所が沢山あります。また小石も一緒に持ち帰り鳩舎に撤いております。

 巣立ちは23日目です。羽ばたきの出来るバスケットに入れませんと身体が大きくなりません。人の良く通る場所に置いて、手に慣れた順に鳩舎にあげます。

 【関連資料2】『在来系の原鳩を訪ねて(その二)「勢山系の原鳩」』日本鳩レース協会参与 堀場飾郎(「愛鳩の友70年11月号P38 ~P39より)  イレブン  2022年11月13日(日) 9:36 修正
広島鳩界の恩人と言われた堀場飾郎先生の資料を掲載することにしました。まず最初は、広島鳩の重要な柱となった勢山系に関する貴重な証言記事です。日本在来の原鳩を調査するという連載記事の中の一つです。

「SS系」について語っておられます。

以前にも掲示板で紹介したことがある「糞かき50年を顧みて」も補足資料として付け加えました。広島鳩学に大きな影響を与えた堀場飾郎先生のお人柄が伝わってくる名文です。文中の「鳩の訓練レース即失踪」の一文はイレブンの心に残る「名言」です。

2022年の現在では、「糞かき50年」の鳩暦をもたれる方は数多く居られますが、今から50年前の1972年当時、50年の鳩暦をもたれる方はほとんど居られなかったようです。


※「堀場飾郎」(ほりば いちろう)の文字表記について正式な文字表記は左写真の「金」偏に「市」という表記ですが、パソコンのフォント文字に入れられていないようで便宜上「飾」の時を使用しています。


 ◆◆◆ 軍用鳩の払下げをうけて  ◆◆◆  堀場飾郎  2022年11月13日(日) 9:43 修正

■記者■勢山の話ですが、勢山庄太郎さんといいましたね。

■堀場■勢山ですね。S・Sですからね。今は勢山といっていますが昔はS・S系といっていました。

■記者■中陸からはどうやってもってきたんですか。払下げられたのですか。

■堀場■払下げられた鳩と、それから非常に問題がありましてね。その頃いうたらえらいことで、憲兵隊ですよ。つまりね、名前いうたらいけませんが、岩田さんという人がいて、その人がいた頃にね。

■記者■その人は軍人ですね。

■堀場■調査委員長をしていた人ですが、軍人ですよ。岩田さんには「伝書鳩」という本もありますよ。その人が払下げしたわけですよ。払下げは普通仔鳩を5円で払下げていたんです。そのほかにフランスからクレルカンが持ってきた鳩を、それを払下げしたわけです。クレルカンが帰ったあとでね。

■記者■その鳩自身をですか。

■堀場■そうです。その鳩自身は払下げることはできんのですよ。なかなかね。だから廃鳩として払下げしたんです。

■記者■ああ、使えないということでね。

■堀場■そして、関西へもってきたんです。それで、少し話が転倒しますが、今西号のもとになっている清水さんね。それなんかの基礎鳩になっているんです。協会の鳩ね、誉田君のところから出ているのに、フランス直輸入と書いてあるでしょう。フランス直輸入と書いてあるけれど、その頃はフランスでは鳩は兵器だったのです。で、フランスは全然払下げをしなかったそうです。ベルギーからは来とったんですがね。フランスからは全然来ていなかったそうです。クレルカンが持ってきたのを払下げたらし
いです。東京では目立つので大阪へ持ってきたんでしょうね。

■記者■個人的に内緒でということですね。

■堀場■それに条件があったんです。結果的に見て条件があったと思うんです。それがバレたんです。脚環もフランス国旗の入った脚環だったんです。それからバレたので引上げたり、脚環切ったりしたんですが、もれたのもあったらしいんです。

■記者■何羽もきたんですか。

■堀場■何羽もきたらしいですね。詳しいことは知りません。大正八。九年頃でした。バレたために岩田さんがやめたんです。
 同じ軍用鳩でもフランス直系のは関西へきてたんです。勢山さんがもっていたんです。今西系などにもそれが入っているわけです。

■記者■フランス直系とベルギー系とが交配されたわけですね。

■堀場■勢山系はそれもありますし、それと中陸の払下げとフランスのが入っているんです。

■記者■勢山系は大正八年、陸軍軍用鳩としてクレルカンの携行した鳩の一羽が、基礎になっている。結局何羽かきたが、ものになって残ったのは一羽の基礎鳩にしぼられたわけですね。それは民間鳩界発展のため特別の配慮によって、当時の大阪好鳩会会長の敗勢山庄太郎氏に払下げられた。この特別の配慮というのが、そうですね。公に払下げられたものじゃないということですね。

 ◆◆◆ 羽に丸みのある小型鳩 ◆◆◆  ■■■■  2022年11月13日(日) 21:34 修正

■堀場■岩田さんがやめられたのは。これは私の推定ですよ。原因とはいえないかもしれませんが、大阪府へ入りましたからね。終戦後に’は。大阪アヒルというのがあるんですよ。大阪アヒルというのは、カモとアヒμ交配してできたので、色白カモなんですね。で、大阪アヒル協会があって。モれの所長さんを岩田さんがやっていましたからね。
 軍人をやめてからずっと大阪にいましたから、なにか条件をつけたんじゃないですか。これは推定ですけれど。

■記者■そうすると。いわゆる勢山系の原鳩になったというと、釜山〜大阪間渡洋600粁で優勝した鳩というわけですね。その鳩は見たことがありますか。

■堀場■私も見たことないんです。

■記者■その直仔かなにかは――。

■堀場■直仔は見たことがあるんです。それは今西さんにいましたからね。

■記者■直仔はどんなタイプですか。



■堀場■ちょっと小型でね、ツチドバいいま七9、独特の色ですよ。そうしてね、羽の非常に丸みのある鳩でしたね。

■記者■すると主翼全休は長い感じはしないんですか。
 堀場−そうですね。長いとい5感じはしなかったですね。

■記者■今西に似ているんですか。
■堀場■今西はその仔に仮3号というのをかけだのが今西号なんです。


■記者■体としては。


■堀場■釜山帰りの仔というのは、身体は大きくなかったですね。

■記者■目はどうですか。

■堀場■石目のような目で、少しダークのかかったような目でした。特に特長があるのは眼環が黒いんです。これは遺伝力が強いですね。それから今西さんの入れたので印象に残っているのは、灰でもなんでも色が濃いんです。それが胸から下が急にパ″と白くなるんです。それはいまだに印象的に残っていますね。今でもまだ出ていますね。

■記者■それで刺は出るんですか。

■堀場■刺が出るのはあります。

■記者■ゴールデンスターなんかの、かかった253なんか。

■堀場■253にはありました。ゴールデンスターにはないですね。これ塚本系とかけた。――それが昭和16年に神戸の三田という人が、大阪の塚本さんと親交があってそれで神戸で仔をとったんです。それがほとんど塚本系ですが、それが出るんです。これが勢山に入ってますけどね。そういうのが出るんじゃないですかね。

 【補足資料】「糞かき50年を顧みて」(『愛鳩の友』1972年8月号P174)  堀場飾郎  2022年11月14日(月) 2:50 修正
「戦災の跡生々しい焼け野原の中新宿伊勢丹に於いて日本鳩レース協会の品評会が催されたのは昭和23年1月。あれから25年誠に夢のようです。会員数3万数千人を有し鳩会館も建設せられた今日の協会に発展しようとは誰が予想したであろうか。後継の諸兄の責任は誠に大である。鳩の協会として創立以来4分の1世紀以上細続なし得たのは鳩レース協会が日本で始めての会です。

道は遠く平穏ではない事でしょう。レースの百。運営の方法難問山積の季。皆様の若さと熱意を期待します。

会員諸兄の大切なる鳩をお預かりして放鳩にはよく行きました。古言の如く南船北馬、北は稚内より南は五島列島と18年間放鳩に知らず知らず、身に教え込まれたのは放鳩の三原則です。「天気図の緻密なる判定」「忍耐力」「決断力」之は貴重なる体験だったと思います。この際未帰還鳩の冥福を祈るとともに会員方々に御詫びしなければならないと思います。

こうして鳩飼いを始めて糞かき50年何等なす事なく得ることまた少なくなきを省みて「盧生の夢」遠く及ばず唯々感慨無量です。併しながら「趣味」の会には「欲」を忘れた道というものがあり「花」には花の道があり、「植木」には又植木の楽しみがあり、「釣」には釣友があり之は大変面白い事だと思われます。私も鳩の為に各地方に知人の出来た事、之は趣味の会の賜だと感謝致しております。そして、最後に得たものは鳩の訓練レース即失踪です。「もののあきらめ」といふ事です。飼い始めの頃は帰らぬ鳩を毎日空を眺めて半年も待ったものでした。がそれがだんだん待たぬ様になり忘れ得る様になります。之は鳩飼人誰人も通る道程だと思います。

このあきらめは「性」の道に通するものではないかと思います。鳩飼い人にはアッサリした人が多い様に思われます。之は行いの内に知らず知らず出るようです。糞かき50年乱筆ながらこれにて終わります。欠文の点大方のお教示を乞う次第です。」


 335310号  ky  2020年4月24日(金) 11:21
修正
https://www.youtube.com/watch?v=1glHy-8goss
https://www.youtube.com/watch?v=_mQiUcVt_60
335310号の兄弟に禿頭号(トクトウ)がいますがこの鳩の写真があれば掲載お願いします。また伊賀さんの335311の写真もあればと思います。禿頭号に関するエピソードを伝えるものは上記の舟橋さんの動画に見ることができます。

   イレブン  2020年4月25日(土) 6:15 修正
kyさんお久しぶりです。舟橋さんの動画が拝見しました。禿頭号(トクトウ)号とは、56-335310の兄56-77052のことなんですね。画像についてはこのスネークパパの掲示板で以前一度話題になったことがあるような記憶があります。調査してみますね。

56-335310の同腹の♀56-335311の画像については、これまで相当探しているのですが、どうもお持ちなっていた伊賀さんご自身も所持されて居なかっようですね。ただ、イレブンは大洋号自身の画像を一度だけ鳩界冊子で見たような記憶が残っています。確か、二匹の刺しだったような気がしますが……。

舟橋さんの動画の動画で解説されている方が56-335310のエピソードを語っておられることに関しては、『69`日本銘鳩写真集』に掲載されています。「335310号系」についての重要な資料なのでここでその全文と禿頭号(トクトウ)号の孫鳩の画像を掲載しておきます。


 56-335310について(『69`日本銘鳩写真集』(昭和43年12月1日、レーシングピジョン社発刊)p43より引用)  誉田 昭二郎  2020年4月25日(土) 6:33 修正
「335310号は並河鳩舎において作出されたアイザクソン・オベル系であるか巣立ち後,銘鳩となるまでにこの鳩ほど転々と飼主か変った鳩も稀であるが,たまたま飯田守男氏(京都)が入手し,不充分な管理のもとに作出した直仔にて北陸コースを何回も駆使し1000粁を帰還させたが,秋季300粁レースにて全京都唯一羽帰り優勝し,翌日は孫境が唯一羽帰還。

後続の帰還鳩か皆無のため,その後のレースは実施不能となり,最終600粁レースまでの賞金を300粁の時点で全額独占,並河氏をはじめ,参加者一同が唯唖然としたという事例がある。

 誉田鳩舎でこの抜群の優秀性に着眼して導入を考えたところ,時すでに遅く飯田氏の手を離れ所有者を転々と変えていたが,同氏はどうしても断念できず,3年問にわたり執拗に飯田氏に働きかけ,数年経過後飯田氏が再度入手するや,多数の希望者があるなかで,平素の友情からやっと長年の念願かかない,種鳩として迎えることか出来たのである。

 入手後直ちに繁殖を始めるべく,交配の相手として56年にすでに335310の兄鳩(※注イレブン:56-77052トクトウ号のこと)を並河氏から導入していたので,この系統にて近親交配を試み,多数作出した直仔群のうち,各交配ごとの最優秀鳩が左記の写真A。B。C。Dである。これらの4羽は,335310号が老鳩にて繁殖不能の現在,誉田鳩舎の貴重な種鳩である。

 誉田鳩舎と広島鳩界の幹部諸氏とは昭和26年頃からの交際が続いているが,同鳩舎が335310号を所有していることを知った広島の諸氏のうち,同鳩界きっての゛名コンサルタント″藤田雅昭氏と石田実男氏が,再三,並河鳩舎と誉田鳩舎を往復したすえ,強引に懇願その執念と熱意に根負けした誉田氏か遂に昭和39年2月,断腸の思いで手離した。

 石田実男鳩舎で繁殖か開始されるや,直仔が41年1000粁優勝(山陽地区)他1000粁5羽,42年1200粁優勝(連合会),43年日本鳩界初の超長距離1400粁優勝(連合会)と優勝を重ね,42年には敢闘鳩舎として酉日本2位を獲得しているが,335310号直仔群のみを連年継続して駆使し,3年連続優勝した一面からその優秀性を評価すれば,全国1位と称しても過言ではない。

335310系にて43年,日本鳩界初まって以来の超長距離1400粁成功の木本典生氏,石田実男氏,武田節男氏,その他広島において,誉田鳩舎より出たこの系統の恩恵を受けている鳩舎は多数あるか,この系統にて今日の広島鳩界を発展に導いた陰の功労者として作出者もさることながら,協力した誉田鳩舎の功績も,広島境界史上lにさん然と銘記されるであろう」

 禿頭号(トクトウ)関連資料  イレブン  2022年11月12日(土) 8:42 修正
KY様

禿頭号(トクトウ)の関連資料等をお持ちでしたら、お手数ですが、掲示板に投稿していただけませんか。

 《研究資料》【禿頭(トクトウ)号 56−77052】の孫画像発見!!  イレブン  2020年7月27日(月) 21:58
修正
山陽連合会、猫本斉昭鳩舎の種鳩として掲載されていました。禿頭(トクトウ)号 56−77052の孫鳩です。作出者は、オマンさんのようですが、ハッキリしません。

 【禿頭(トクトウ)号 56−77052】関連資料   イレブン  2022年11月12日(土) 8:20 修正
KY様お久しぶりです

イレブンの記憶では【禿頭(トクトウ)号 56−77052】は、広島で活躍した後、北九州方面で直系が大活躍した歴史があります。おまんさんの種鳩だったとすると、愛弟子伊藤氏を通じてそのラインが九州に流れていたのでしょうね。

この連載の中で「太陽のような種鳩」という表現を伊藤氏が使っていますが、陽炎の目だったとされる335310の兄【禿頭(トクトウ)号 56−77052】も同じような目ではなかったかと推測されます。

「口伝鳩学事始」にちりばめらられた伊藤氏の一言一言には、その奥に隠されたコードがあるように感じますね。タイトル「禿頭系見参」はその代表格でしょうね。

「とくとう」を「禿頭」と「特等」の両方にもじっているところがなんとも広島鳩学らしいですね。

   ky  2022年11月12日(土) 7:40
修正
335310の兄弟でやっと「とくとう号」を見つけましたがこの鳩がここで言われる「ハゲ」なのか「特等」なのか、前者だと思っていたのですが?

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