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 ■■『油性粒子理論 研究』C■■L.E.シューマン理論からの検証T●「シューマン氏の必勝法」代表質問者:尾内一郎■(出典:『愛鳩の友』誌1972年10月号、P138〜P141より引用)■   イレブン  2021年5月8日(土) 5:44
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この記事は、L.E.シューマンが、日本に初めて来日した1972年の夏頃の資料です。L.E.シューマンはその後2度にわたって日本を訪問していますが、来日した海外の著名競翔家のなかで、初めて眼の理論をちゃんと語った人物です。

このL.E.シューマンが初めて来日した時に、対応したのが尾内一郎さんと日鳩の皆様だったようです。尾内一郎さんは、この頃すでに広島鳩界に足繁く訪問し、眼の理論の研究に集中されていた頃でしょうから、こうした場面が設定されたのでしょうね。

短い記事ですが、L.E.シューマンは最初の発言の中に、アウトバンド・サークルオブアダプテーション(C/A)、油性粒子の重要性をすでに語っています。記事が出された当時は、まだ基礎的な知識がほとんど公開されていなかったのでこの記事からL.E.シューマンが述べようとした意味合いをちゃんと理解できていたのは極一部の人々だけだったのではないかとイレブンは感じます。

 ・・  愛鳩の友編集部  2021年5月8日(土) 5:46 修正
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
 さる7月7日(1972年)、アメリカン・レーシングピジョン・ニュース社社長一行が来日して鳩界の面々と歓談したことは8月号で紹介した。そして7月10日、同行のシューマン夫妻は日鳩葛飾支部を訪問して同支部員達の熱心な質問に答えた。なお代表質問者は尾内一郎氏。通訳は杉山氏が受持った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 ■■目で勝負する■■  ■L.E.シューマン:(代表質問者:尾内一郎)  2021年5月8日(土) 5:48 修正
■尾内■ さて、シューマンさん。あなたはさき程、柴崎鳩舎を訪問されましたが、1000粁チャンピオンを見た感想はいかがですか。

■シューマン■ 私の見るところでは、あの鳩は2分の1ゴードンだが、すばらしいアイサインをしている。他にも良いハ卜は多くいたが、あのハ卜の目には勝てません。

■尾内■ あなたは”目″の研究をされているそうですね。そこで、目の色およびアイサインの考え方について教えて欲しい。

■シューマン■ 鳩は、目の色とアイサインで良し悪しを見分けることが出来る。私の血統の目の色は90%コーヒーアイで、アイサインは90%がグレーアイサインである。30倍の拡大鏡で見るとよくわかるが、瞳孔の周りに幅や形は異なるものの、わずかな色を帯びている輪がある。これをアイサインという。長距離で優秀な成績を上げたハ卜はそのアイサインが、つまり小さなビーズ状のキラキラした粒子が、内側にある。
 (図1−U)
 アイサインの外側には、裴のようになっているのや、大きさは大小の、色のついた粒子がある。これが全然ない鳩もある。優秀な鳩にはこれが必ず、良く出ている。
 (図1−V)
 次に外虹彩部分では、色が多様で、瞳孔を中心にして放射線状に散っているのが良い。
(図1−W)特に、ゴードン系では、虹彩の終った部分、人間の白眼部分、が黒くなくてはならない。(図2)
 スピードの出る鳩には、肉眼で見ると、アイサインの前方、くちばしの方に、黒くしみのように瞳孔が変形して、流れているものがあり、アイサイン全体がそのようになっているのもある。ただ、眼の鑑定は、満1年以上の鳩でないと困難ですね。

 ■■翔鳩の見分け方■■    2021年5月8日(土) 5:51 修正
■尾内■ 私も目については研究していまして、大変参考になりました。それでは、次に全般的にお話して欲しい。

■シューマン■ では外見的な判別法から話してみましょう。
 まず、竜骨。これが高すぎるもの、その胸の薄すぎるもの、首が長いもの、脚の長いもの、これらは淘汰しなければなりません。竜骨が適当に高く、恥骨に向かってカーブが形良く、恥骨がよくしまったもの、筋肉が竜骨と同じ程度に発達しているもの、腰のしっかりしているもの、こういう鳩はグーですね。

■尾内■ 筋肉についてもう少しお話下さいませんか。

■シューマン■ 筋肉は適当に弾力を持ち、腹を舐めて舐めてこすると、きれいなダークピンク色をしていなくてはなりません。こすってみて色の黒いものはダメです。
 以上を分類して

1.健康であるか
2.目はどうか
3.バランスがとれているか
4.竜骨は高すぎないか
5.羽のカーブの状態はどうか

という点に私は気をつけています。

■尾内■ 1と4は日本でもよく知られていますが、5の羽のカーブとはどんな状態を指すのでしょうか。       

■シューマン■ 肩の付け根の部分がポコ″と膨らんで、高くなくてはならない。こういう鳩を羽のカーブが良いと言います。

 ■■良鳩は慌てない■■    2021年5月8日(土) 5:53 修正
■尾内■ その他に、あなたはどんな方法で見分けているのでしょうか。

■シューマン■ そうですね。舌の奥に器官の穴があるでしょう。その運動が激しいものは、生後2ヵ月目に淘汰します。フマラソン選手が少し走っただけで呼吸を荒くするようではいけません。

 その他、私はカゴの中に40分間ハ卜を入れて観察してみます。カゴから出ても、落ちついていて、精神状態が一定であるのは良く飛びますよ。鳩舎の中で、いつも床に降りているのはどうも良くないですね。
 また、親鳩を掴んだとき、尾を拡げて、上へ上げるのは感心しない。むしろ、下げなくてはなりません。

■尾内■ 尾の出たところで、今度は羽根のことを話して下さいませんか。

■シューマン■ そうですね。主翼を引いて拡げるとき、隙間が開くようでは思わしくない。羽根と羽根のねばりがあり、なめらかに開き隙間のない状態、そして主翼の先3枚の長さが揃っているというのが良く飛びますね。

■尾内■ 揃っているとは具体的にどんな状態を指すのでしょうか。

■シューマン■ 羽根を拡げて裏側の部分、人間の脇の下にあたるところですね、ここに、細い3枚あるいは4枚の毛がきれいに揃っていて、それらの先端がハサミで切ったように水平になっているということですね。

■尾内■それはなぜでしょうか。

■シューマン■ 理由は私には解らないのですが、結果的にそうなっている。私が調べた範囲内では、好成績を上げた鳩は全部、そうなっていますね。

 ■■手を抜くな■■    2021年5月8日(土) 5:56 修正
■尾内■ これはなかなか興味深い発見であると思います。ではいよいよ実践的な話に移りたいと思います。そこで、飼育方法をお伺いしたいのですが、まず飼料はどういうものをお使いですか。

■シューマン■ 年を通し、ほぼトウモロコシ60%.エンドウ30%、大麦9%、亜麻(植物の一種・不詳)ビタミンB12を1%の配合で与えております。

■尾内■なる程。では育て方としてはどのようにされていますか。

■シューマン■ まず、若鳩のときには健康に留意する。健康を保つためには鳩舎の換気を十分良くしてやること。それから、週に2回は水浴をさせてやりたいですね。

 鳩の腹を開くと白い粉、これはフケですのて十分管理して欲しい。不健康な鳩は、腹の筋肉をつばでこすってみると、どす黒いピンク色になるのがよくわかります。これでは良い成績は期待できません。それから、自分の飼育血統の鳩の体のバランス、大小及び羽色、目の色等を早く覚えて、その性質を呑み込むことが大切ですね。


 ■■レース参加への道■■    2021年5月8日(土) 5:58 修正
■尾内■我国では気候上の制約が多い点もあり、健康管理には細心の注意を払わなくてはなりませんね。
 さて。そこで、レース訓練の段階に入るのですが、それについてお話下さい。

■シューマン■ 日本では、若鳩(1才鳩)のときから相当長距離を飛ばすと聞きますが、できれば、一才では無理をさせない方が良いのではないか。

私は、生後20ヵ月位はレースに参加させずにおき、40マイル(64キロ)程度の基礎訓練を行っている。さて、レース参加予定の生後20ヵ月の若鳩は、レース参加2ヵ月前より。毎週60マイル(約100キロの訓練を直前まで続ける。

更に、レース参加前の100マイル (160キロの訓練では、160分で帰舎しない鳩は私の鳩舎では淘汰してしまう。この経路をたどってやっと、レース参加の資格鳩が選ばれる。

■尾内■ あなたの訓練がレースでどんな成績を挙げたか教えてくれませんか。

■シューマン■ 昨年、私はケワニー・オープン500マイル(800キロ)レースにNo-629・70・614・313の4羽を送り、1位、27位、28位を得た。このうちのNo-629(ウィッチタボーイ)は実距離460マイル(740キロ6時間47分、1924.14ヤードで帰舎し、見事に優勝しております。

■尾内■ この鳩にはどんな訓練を行ったのですか。

■シューマン■ この鳩の訓練には、レース1カ月前より1週間前まで100マイルを毎週1回行い、それから460マイル(740キロ)にジャンプするという方法をとりました。

■尾内■ その方法は我国にもあてはまるとお考えでしょうか。

■シューマン■ 私は、この方法で多くの成果を得た。日本でも、100キロ訓練を4週間続けた鳩は、400キロ、600キロレースで必ずや好成績を収めると思う。

■尾内■ ところで、あなたは40マイル、、100マイルと距離を伸ばしてゆく前に、四方訓練あるいは扇形訓練をしているのですか。

■シューマン■ いいえ。私は最終目的の放鳩地に向かって直線に訓練するという方法をとっています。

■尾内■ どうもありがとうございました。今日は私共にとって大変嬉しい日でした。


 ■補足資料@  イレブン  2021年5月8日(土) 6:30 修正

 ■補足資料A  イレブン  2021年5月8日(土) 6:33 修正
代表鳩画像

 ■補足資料B  イレブン  2021年5月8日(土) 6:34 修正

 4都府県の緊急事態宣言延長決定  イレブン  2021年5月7日(金) 23:56
修正
今日昼頃、10日の1000Kレース持ち寄りの延期の連絡がありました。天候が良くないとの理由だと思っていました。

よる 19時にニュースを見ようとてれびをつけたら 「4都府県の緊急事態宣言」の報道があっていました。

天候の方もしばらく梅雨前線の影響で不安定な状態が続きそうですし、イレブンが住む「福岡県」も31日まで「緊急事態宣言」となり、いよいよ2021年春の「1000Kレースの行方」が不透明になってきたような気がしました。

どうなるんでしょうね!

  ■■『油性粒子理論 研究』B■■尾内理論からの検証U:「”眼科”尾内氏大いにまくしたてる」◇■(出典:『愛鳩の友』誌1976年9月号、P120〜P123 )より引用)   イレブン  2021年5月7日(金) 2:08
修正
この「”眼科”尾内氏大いにまくしたてる」は1976年の秋9月の記事です。

尾内一郎さんは、1967年春広島鳩界が1000kレースで68羽参加30羽記録という大記録を打ち立てた際、広島にすぐさま訪れています。そしてそこで見た広島鳩界の鳩作りのレベルの高さに驚嘆し、その鳩理論の奥にある「眼の理論」の存在を知り、毎年足げ来広島に訪れ「眼の理論」を研究したと、後年語ってます。

当時から尾内一郎さんと言えば鳩界ジャーナリズムによく登場されていた著名な人物だったので、当然、いろんなところで眼に関する発言をされるようになっていました。

この記事によると、そうした経緯の中で、同じ関東の著名な競翔家大沢清孝さんが尾内一郎さんのことを”眼祖”と呼び、「怪しげな理論」を吹聴する「教祖」のような人物のように評価したことが、どうもこの「論争」の火だねになったようです。

確か、イレブンの記憶では、大沢さんは「眼」なんかで鳩が飛ぶ・飛ばないなどいうのは「まやかし」というような批判を明確にされていたように記憶しています。

 こうした背景もあって尾内一郎さんが「愛鳩の友」社の編集員に語った内容だけに、それまで、あまり踏み込んで語られていなかった眼に関する理論がこの記事には、掲載されています。

実は、イレブンも、この「スネークパパの部屋」を立ち上げた2004年、今から17年前、この大沢さんのような考えをお持ちの方から、眼の理論の存在に対して批判的な意見をいただいたことを記憶しています。

その時、関東方面にはこの大沢さんのような考え方が伝統的にあるんだなと感じたことを記憶しています。そして、その背景には、様々な日本鳩界の歴史の形成の特質が働いていようにも感じていました。この問題は、また、いずれどこかで触れていくことになると思っています。

さて、この「”眼科”尾内氏大いにまくしたてる」で尾内一郎さんが述べている眼の理論を、先ずはじっくり見ていきましょう。今、テーマとなっている「油性粒子」の問題についてもキチンと触れています。

イレブンはこの論文には、眼の理論を考えていく上でいくつもの重要な観点が述べられていると思っています。

最近は、こうした「熱い議論」が交わされることが少なくなっているようですね。お互いずいぶん「大人」(老齢化)になっているからなんでしょうけど……。

この「”眼科”尾内氏大いにまくしたてる」を読むと、当時の鳩界が熱気盛んな「熱い時代」だったことも思い起こさせます。

 ◇◇◇◇ 眼だけがすべてではない ◇◇◇◇  尾内一郎  2021年5月7日(金) 2:44 修正
 大沢さんが私のことを″眼祖″といわれたようですが。もともと私は”眼科″といわれているくらいですから、少しも気にはしていませんよ。

 しかしですね、眼祖とか眼科とかいう人たちの中には、私のことを誤解している向きが多いようですね。あれだけ話をした大沢さんですら。私のいうことを十分に理解出来ていないようですから一般の人たちが誤解されているのも、無理ないと思いますけれど、一方では私と同意見の方も沢山おられるわけです。その人達までが誤解を受けたままでいることは、私としても忍び得ませんので今回は敢えて喋らせてもらいますよ。

 大体ですね、私は今までに一度だって。眼がすべてに優先して鳩の能力を表徴しているとか。鳩は眼がすべてだ、なんていったことはありませんよ。その点が私の意見に対する誤解の最大のポイントなんですね。大沢さんだってクラウン賞をとったこともある人なんですから、そんなことをいって貰っちや困るんですよ、本当に。まったく大沢さんらしくもありませんね。

 私だって眼だけで鳩の良否を判断するなんてことは考えていません。いちばん大切なのは全体のバランスですよ。

それから部分的にいうと、第一に恥骨ですね。それに竜骨や筋肉も含めてなんですが、そういうものはベテランといわれる人達は鳩を掴むでしょう。すると習慣的に指をスー″と走らせて、一瞬の間に良否を判断してしまうんですね。

それらを良しと判断した上で眼を見るわけです。その時点での眼による判断の比重は高くなり、おそらく7、8割は占めるでしょう。しかしそれは、全体のバランスや恥骨、竜骨、翼などの部分部分を見た上でのことですから、全体の中で占める眼による判定の比重というものは、1割ぐらいなものなんですよ。

 その点を多くの人が誤解していて。眼だけで飛ぶかどうか判るもんかとか、いろいろいわれるわけなんですね。

 ◇◇◇◇ 眼は頭脳を覗ける唯一の窓 ◇◇◇◇  尾内一郎  2021年5月7日(金) 2:49 修正
 眼は脳にいちばん近い器官で、脳の一部分であることは医学的にも証明されているんです。

脳の一部として外から見ることのできるものは、眼だけなんですよ。もちろん、眼だけで脳の働きのすべてを判断できるものではありません。眼から判断できるのは、知能指数と性格という脳が司どる部分の3分の1ぐらいが、何となく判断できる程度だと思いますね。

しかし私たちにとって鳩の眼以外に、鳩の脳の働きを判断する手段がないのです。ですから不確実な点もありますが、眼に注目せざるを得ないわけです。

 私が眼に注目してから、優勝鳩、上位入賞鳩や銘鳩といわれる鳩を随分と見ておりますが、スピードバードにはこのような眼が多いとか、優れた種鳩にはこの種の眼が多いとかいう点に段々と気がついてくるわけです。

これは経験的な事実として動かすことのできない認識ですね。もちろん、例外的なものも随分とありますよ。けれども、非常に高い確率で共通した特徴を眼について認めることができるんです。

 今、申しあげたように、この距離のレースで、スピードの出ている鳩にはこの種の眼が多いとか、長距離を何回も帰ってくる鳩には、このような構造の眼が多いとかいう経験に基づく事実から、今度は逆に考えて、この種のレースに向く眼をつくるには、どのような配合をすれば良いのか、という作出の問題にも入っていけるわけですね。

 そうして出来た鳩を実際にレースに使ってみますと、思ったとおりの実績を挙げてくれる鳩は10分の1ぐらいでしょうか。しかし、そういう鳩は必ずといってもいいくらい、私が考えていたような眼を持った鳩ですね。

 そういう経験を積み重ねていきますと、眼の構造に関して、鳩の性能を判断する上について無視できない或る種の特徴を、はっきりと認識することが出来るわけです。

もちろん、これは確率の問題ですから例外もありますし、私自身にしても、絶対的なものを掴んでいるとまでは云えませんし半分は模索している段階ですから、今後も研究を重ねていかなければなりませんが、これからの競翔家は眼を無視すべきではありませんね。

眼について少し注意を払っていただいて、気長に鳩を見ていただけば、かならず眼から何かを掴んで貰えるですよ。

 ・・  愛鳩の友編集部  2021年5月7日(金) 2:50 修正
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 尾内さんの話は、一気にここまで続いたが、この辺でひと息いれていただいて、以下は、図解などをとりまぜながら、尾内さんに眼に関する蘆蓄を傾けていただこう。

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 ◇◇◇◇ 種鳩の三分の一は銀眼に ◇◇◇◇  尾内 一郎  2021年5月7日(金) 2:55 修正

 眼だけに限ったわけではありませんが、眼の良し悪しについては比較の問題ですから、絶対に駄目だという眼はないわけです。こちらの方がこの眼よりは良いということなんですね。そして、より良い眼、自分が望んでいる眼の鳩をつくる上でいちばん肝心なのは配合の問題です。

 眼に関しての配合の問題については。私なりにある程度まとまった考えを持っていましたが、ファンネ氏が来日して私のところに訪ねて来たときに決定的な点を教えて貰ったんです。私としては配合の問題がポイントだと思っていたので、その点についてファンネ氏にしつこく尋ねたんです。

 ファンネ氏の答えは、私たちが感じていたのと同じように、対照的なものを交けなさいと、はっきり教えてくれましたね。明るい眼と暗い眼、柿眼と銀眼を交けなさいということですね。

 配合というものは天秤のバランスと同じで、補い合わせることが必要で、同じもの同士を交け合わせても駄目なんですね。例えば明るい眼と明るい眼を交けますと、明るい眼が出来る割合が高いですね。ところが期待をかけていると、とんでもないところで”ポロッ″と落ちてしまうことがあるんですね。これが配合が合っていないということなんです。

 それに、一般的にもいえることかも知れませんが、うちの松風の場合は柿眼の方がよく飛ぶんです。皆さんは飛んだ鳩だけを見ますから、松風は代々柿眼だと思っているんですが、そういう柿眼をつくるために銀眼が必要なんですね。

松風の場合は銀眼に出た場合はあまり飛びませんよ。けれども種鳩としては絶対に必要で、その鳩舎の種鳩の3分の1ぐらいは、銀眼を揃えるべきですね。

 一方、銀眼で飛ばしている鳩舎がありますが、その場合には、よく飛ぶ銀眼をつくるために柿眼が必要なわけで、種鳩の3分の1ぐらいを柿眼にしたら良いと思います。


 ◇◇◇◇ 色素の薄い柿眼は悪天候向き ◇◇◇◇    2021年5月7日(金) 2:56 修正

 私は鳩の写真を随分と続けて撮っているんですが、写真を撮る場合、室内はもちろん廊下の明りまで全部消して。まっくらにして鳩を撮影台に乗せますね。

その時にたまたま室外からの明りがさして薄明るいとき、まあ人間では物がよく見えない程度の明るさなんですが、トコトコ歩き出す鳩がいるんですね。そういう鳩には長距離を何回も飛んでいる鳩が多いですよ。頼まれて写真を撮るときに、そんな鳩がいた場合、この鳩は随分飛んでるね、というとピタリと当りますよ。

 そのように、長距離を何回も飛ぶような鳩はほとんどが色素のうすい眼を持っていますね。またこういう眼は難レース、悪天レースになった場合に能力を発揮する眼です。イギリスのノーマン・サウスウェルの系統も色素がうすいですよ。

また夜間に帰ってくる鳩が時々おりますが、このような鳩の眼は、おそらくは色素のうすい柿眼だと思います。

 一方、短距離や中距離に強い鳩というのは、色素が濃いというか、明るさのある眼ですね。ファソブリアーナなどがその例です。

 ◇◇◇◇ 鳩の楽しさを増す眼の研究 ◇◇◇◇    2021年5月7日(金) 2:57 修正
 鳩レースの最大の楽しみは、レースに勝つことでしょうが、同じ勝つにしても、やみくもに飛ばして勝つよりも、自分が狙ったとおりの鳩が勝ってくれれば、楽しみも一層大きい筈です。

その狙いも配合の時点から考えていけば、鳩レースの味わいも深まる一方なんで、誰でも配合をするに当っては、系統や成績を参考にして決めているんですが、その参考資料の中に″眼″を是非とも加えて貰いたいんですよ。

 先程も申しましたように、眼は脳を覗くことの出来るただひとつの器官なんです。

私たちは鳩に対して知能テストを行うことは出来ませんが、眼を見ることによって、かなり高い確率で知能や性格を窺うことが出来るんです。そして普段から眼に注意を払っていれば、経験の積み重ねによってその確率を高めることは容易なんです。

 自分が考えたとおりの眼の鳩を作出できたときの喜び、そしてその鳩が好成績を挙げたときの一層深い喜び、そういう結果を統計的に計算して、判定の確率を高めていく楽しさ。鳩レ―スにもうひとつの楽しみが加わるじゃありませんか。眼を軽く考えないでください。

(以上)

 ★2021年春700K22日目帰還!!★【源流WILD(ワイルド)号】20YT03630BC♂  (源流スーパークラック号×源流パール号)  イレブン  2021年5月6日(木) 20:56
修正
4月15日放鳩だった2021年春700K地区Nに参加していた20YT03630BC♂が本日帰還しました!!

22日目の帰還です。筋肉も落ちておらず、眼がギラギラした状態で帰還し雌を追いかけていました。つかんで翼を広げると、少し赤茶色に日焼けした翼が、長い間、野生生活を続けていたことを物語っていました。


本日、1000Kの持ち寄りが5月10日になったとの連絡を受けました。今年の1000k参加は無理なので、明年の遊佐1100K挑戦の第一候補として、【源流WILD(ワイルド)号】と名付け、大切に育てようと思います。

これで14羽参加、帰還計4羽となり、700Kの帰還率が28.5%となりました。この春は33羽スタートでしたので約10羽に1羽700キロを帰したことになりました。

画像上:700K帰還直後の本日撮影
画像下:700K参加前撮影

この2枚の画像を比べると、野生生活で苦労した分、鳩にすごみと貫禄がついていることがはっきり分かりますね。

 ■父:源流スーパークラック号 14YA09461BC♂  イレブン  2021年5月6日(木) 21:03 修正
帝王ロフト作
直仔:17年東九州地区N総合3位

 ■母:【源流パール号】13YA01064BC♀  イレブン  2021年5月6日(木) 21:10 修正

 ■■『油性粒子理論 研究』B■■尾内理論からの検証T:【画像資料】『鳩の”目”の神秘を探る』◇■(出典:Champion誌1977年4月号)より引用)   イレブン  2021年5月6日(木) 5:00
修正
日本鳩界の”眼科”と呼ばれていた尾内一郎さんの眼の理論から「油性粒子理論」を検証してみます。最初の資料は、Champion誌1977年4月号に掲載された眼の画像とその鳩の系統及び尾内さんの解説文です。

尾内一郎さんは、広島鳩界が1000kを大量帰還させた年(1967年春68羽参加30羽記録)に、単身広島に乗り込み、そこで、岩田正則氏など広島鳩界の重鎮から眼の理論を学び、ご自身研究をされたと語られたことが記録に残っています。

尾内さんは鳩界誌上で最も眼の理論について語られていた人物を代表する方です。その「尾内理論」では、今テーマにしている「油性粒子」のことをどのように捉えているのかをじっくり検証して見ますね。

結論を先の述べますと、尾内さんもこの「油性粒子」を重視していたことが明らかになってきます。

 資料@■カトリス・カイザー号■  尾内一郎  2021年5月6日(木) 5:06 修正
●カトリス・カイザー号●

 目が柿目で瞳孔から紅彩に向かって(くちばしの方向)アイサインがとけるように出ている。このような目の鳩は、大レースのCHや作出面で仔出しのよさをものがたっている。


 資料A■ピータース号■    2021年5月6日(木) 5:14 修正
●ピータース号●

 日本に唯1羽のピータ−ス・ビオモント系である。目が類を見ないほどすばらしく系統の良さをものがたっている。この鳩は、目にほれて購入して来たが系統書が後日送られて初めて系統のよいのに驚いた。

 資料B■デビイ号■    2021年5月6日(木) 5:23 修正
 73年渡欧した際、デビイ鳩舎でこの鳩を見て目がすばらしいので系統も洲かず購入。直仔3羽をレースに使ったところ、ダイヤモントレース総合2位2羽と今春1羽使翔中。系統書が到着してからこのデビイ号が800K優勝ほか上位に入賞していることを知った。

 資料C■カノープス号■    2021年5月6日(木) 5:28 修正
 目は銀目でアイサインもすばらしくコロネーション、紅彩の明るさはスピードをものがたっている。48年ゴールデンカップ1000Kで2位を2時問引きはなして優勝。直仔・孫に多数のスピード鳩あり。

 資料D■ヨング・ジュモンデイ号■    2021年5月6日(木) 5:29 修正

 この両親の目を写真に掲載したかったが父は柿目のダーク、母がすばらしい銀目である。バイト鳩舎の銘鳩8羽のうちから日本ですぐ使えると信じて73年購入。

 資料E■レーグルス■    2021年5月6日(木) 5:29 修正
 瞳孔が小さく頭の良さをものがたっている。台湾レースで帰舎した際でも目だけはギラギラ光っていた。兄弟に1000K優勝等多数、直仔600K総理大臣賞優勝ほか優勝2羽。

 ■■『油性粒子理論 研究』A■■「THE EYES -鳩の目に関するレクチャー+鳩の選び方・育て方」◇第10回◇■(出典:『The eyes and other guides to success』 John Lambrechts 著:『愛鳩の友』誌、2006年7月号、P214〜P217より引用)  イレブン  2021年5月5日(水) 4:35
修正
連載10回目では、テーマが「飛ぶ方向を見つけること」となっています。鳩がレースの際、どのような要因で、自分の鳩舎に帰る方向を判断しているのか、という昔から競翔家を悩まし続けているこの問題について、John Lambrechts さんは、当時、議論されていた「理論」に対する自分の考えを述べていきます。

ここで取りあげている要因は、「太陽コンパス説」「有視界飛行」「磁場などの波動説」と呼ばれている理論や「風向き」「系統的距離特性」なども含めて話題を展開しています。これらの考え方については、21世紀の現在も大きく変わることもなく話題になっていることで、現在は、むしろ、全ての要因が複雑に関係し合っているように考えられているようです。

特に「磁場の変動」の問題は、この本が書かれた頃と違って、近年大規模な「地震」が多発している今日にあって注目されている要因の一つです。また、「猛禽類の攻撃」という要因については、全く触れられていないことも時代の違いなのかも知れませんね。

もうすぐ開催される2021年の1000kレースを前にして、John Lambrechts さんがここで触れている問題は、今なお競翔家の胸に切実に響いてくる問題ではないかと感じました。

※連休中に資料整理してこの10回の後半部分の資料が見つかり、全文を掲載することが出来ました。10回目以降については、2006年10月号「愛鳩の友」でこの連載の最終回が目次に載っていますので残り3回分があるようですが、切り取った資料がまだ見当たりません。調査を続け、見つかったら掲載しますね。

 ■飛ぶ方向を見つけること■  John Lambrechts   2021年5月5日(水) 4:38 修正
 鳩は、自分の位置をどのようにして知ることができるのか。

 快晴の時は、レースはスムーズに進み、健康で良い鳩が、良い成績をおさめるだろう。悪天候の時は、帰還するまでに日数がかかり、レース結果が出るまでに時間がかかることになる。このような天候でレースが行われる際には、一般に成鳩の大部分は一日遅れくらいで戻ってくるだろうが、若鳩は道に迷ってしまうだろう。

 鳩は、目に入ったすべての景色を記憶し方向を決めているとしたら、視力が最も重要であるということになる。視力が良ければ離れたところから、標識となるものを見分けることが出来る。視力に欠点があるために、優秀な鳩が落ちてしまうこともあるだろう。

 また、徐々に長い距離を飛ぶ訓練をしていると記憶力は鋭くなり、鳩は放された地点からもっと素早く戻ってこられるようになるということが証明された。もちろん長距離の専門家には250マイルからいきなり600マイルにジャンプしても必ず戻ってくると主張する人もいる。
 
このことは、完全な方向判定能力を持つ鳩には可能である。しかし、経験を積んだ愛鳩家の大部分は、約400マイル離れた地点で一度放鳩訓練してから、最長距離のレースに持ち寄ることがベストだと考える。

 ■    2021年5月5日(水) 4:39 修正
 鳩は日光によって導かれているということに固執している人もいれば、一方大気中の電磁気によって導かれているという考えの人もいる。

 何か正しいかは、未解決の問題である。しかし、戻る方向をより正しく見つけられる鳩がいることは確かである。この点で健康状態は重要な要因である。鳩が先頭集団で戻ってくるならば、健康状態が良いことは間違いない。なぜならば、疲労によって方向感覚は狂ってしまう。充分に前のレースの疲れがとれていない鳩は次のレースで方向がわからなくなりやすい。

 時々、帰還場所が広範囲に広がっていても、レースに参加したすべての鳩がトラブルにあったのか何万もの鳩が道に迷ってしまうことがある。

 何か起こったのか。天気がひどく悪かったのであろうか。もしくは、突然のどしゃぶりにあって、地面にたたきつけられ道に迷ってしまったのだろうか。

 これに関して、フランスで定期的に刊行されている”ル・ピジョン・ボヤージャー”のマルセル・フーレットによって書かれた内容は、興味深いものであった。

「レースマンの大部分が、鳩をレースに持ち寄る際、翼や体格や目などに関した自分自身の理論に基づいて選択を行っている。しかし、レース自体が悲惨な結果となってしまったとき、彼らの知識や理論が混乱してしまう」

と指摘している。

 ■    2021年5月5日(水) 4:41 修正
 多くの人と同様に私達も鳩が帰らない原因を取り除こうと試みた。商業新聞の確かな発表によると、これらの悲惨なレースはラジオの放送局やテレビ、レーダー、飛行機などが原因であるそうだ。

 しかしよく考えるてみると、これらの要因は確かにやっかいなものであるが、決定的に悪いのではないとわかる。

 なぜならば、飛行機は毎日いつも離陸したり着陸したりしているし、テレビやレーダー、ラジオの放送局もいつもあるからである。にもかかわらず鳩が一羽も帰らないということはめったにないし、例外的でさえある。

 霧や大雷雨のために数時間遅く放鳩されなければならないレースは大惨事とは呼ばれない。しかし、同じ日に、フランス、ベルギーだけでなく、ルクセンブルグやドイツ、オランダ、イギリスでも、そのようなレースとなったとき、確実にもっと広範囲に原因が働いていると想定出来る。

 ■    2021年5月5日(水) 4:43 修正
 私は、様々な原因を探ることにした。

 約7年間に渡る比較的長期間に行った観察によって、次のような結果に達した。放鳩した地点または鳩舎からどれくらい離れていようとも、自然の力あるいは人間の何らかの力によって起こった災害は、発生から5日間は平穏な飛行を悲劇的なレースに変えてしまうものである。またその災害によって鳩の能力は落ち、レース結果も思わしくなくなる。

 私は地方新聞をよく調べて地震や原子爆発のような情報に注意している。また、ラジオやテレビの放送もよく聞いていた。そのような災害から5日間以内にレースがあったときはいつも、レース結果はよくないものであった。

鳩の一割か二割だけが、時速25メートルから30メートルのスピードで普段と同じように戻ってきた。あとの残りはとにかく戻ってきてもポッポツと戻ってくるので、順位を決めるのに何日か必要になる。

最も、よい鳩はそのようなときめったに一番に戻ってはこない。ほとんど5日とか6、7、8日ほども遅れて戻ってくることもある。

 マイケル・フーレットは次のように続けていう。

  「私はいつも20羽ほどの鳩をレースに参加させるので、大災害のときはかなり厳しい結果となる。それにも関わらずそうすることによって私の推論が正しいことを自らの鳩で証明するのが最もよい方法であると思った。

 またレースの持ち寄りの際、鳩が戻ってくるだろう方法を予想すると、毎回的中した。そうして徐々に、カゴに入れる前、帰還に関して私の意見が求められることが多くなり、私は事実に基づいて答えた。

 平穏な飛行を予測したこともあった。しかし、鳩がもう放鳩された後の夜に、テレビでの報道から前に述べたような種類の災害が起こっていたことを知った。私は委員長のホーシエ氏に知らせようと、翌朝彼の家に行った。彼は休んでいたので父親に私の予想を書いて渡しておいた。その後、私か知らせたとおりに鳩が帰還したことで、再度私の予想が根拠に基づいたものであることがはっきりした」


 ■    2021年5月5日(水) 4:53 修正
 捨てられた鳩、売られた鳩、迷ってしまったと考えられていたような鳩さえも、何年か後にその鳩の鳩舎があったはずの場所で見つかることがしばしばあることがある。

このことから、放鳩の時に、鳩は自分の鳩舎から出ているある種の波動によって導かれていると信じている人がいる。その説が正しければ、確かに幼いときからずっと鳩舎でその波動を受けていたからと仮定しても当然であると思う。その場合、どんなことによって鳩は鳩舎に戻ることが出来なくなるのか。鳩舎に戻ることが出来なくなるような、波動を受けているのか。

 次のレースに調子よく参加するため、素早い回復力が必要になる。そのため、長距離レースの成績に影響を考えてレースとレースの間には長期期間の休息を与えられている。
 そして、実は350マイル以上のレースはその距離の2倍のレースより骨の折れるものである。風は距離と同じ、あるいはそれ以上の影響が鳩レースにある。

 飛行時間数は特に重要な問題である。中距離レースで向かい風の中を7時間飛ぶときは、長距離レースで10時聞かそれ以上飛ぶ時より多く、鳩の体に追い風の中を飛ぶ力が必要になってくる。

 長距離の飛行をしっかりと習得している鳩が、向かい風の中でもっと短いレースに参加してよい成績をとることが出来る。愛鳩家が中距離レースで成功した鳩を、長距離レースに出すならこのことが正しいと分かるだろう。

 ■    2021年5月5日(水) 4:56 修正
 中距離レースで成功している鳩が同様にもっと長い距離のレースで成功する例はたくさんある。この場合訓練法はやや違ったものが必要とされているので、それに合うように改良しなければならないだろう。

 もちろん、鳩のエネルギーとバイタリティが忍耐力と合っていないので長距離レースにあまり向いていないということもありうるが、連続13週間、毎週日曜日に最高のコンディションで参加するように準備されている若い鳩の場合には、このようなことはほとんどありえない。

 4時開かそれ以上の間、たゆまず飛び続けなければならない鳩は回復力が非常に優れていなければならない。毎週少なくとも2回は飛ばなければならない鳩よりは、より速く、比較的短い距離を飛ぶためには一般的な性質である。これは多分レース鳩にとって最も重要な性質だろう。

 初めて中距離のレースに参加したような鳩が完全に疲れきって鳩舎に戻ってくるということは非常にありうることだ。しかし、強い耐久力を持っている鳩ならば考えているより早く入賞することが出来る。

 そのような鳩の持ち主が鳩を毎週中距離レースに出そうとするならばそれはひどく間違っている。
 2週間に1回250マイルかそれ以上の距離のレースに参加するように制限するか、もっと短い距離のレースばかりに参加するようにすべきであろう。

 鳩の最高の成績をずっと期待することはすすめられないことであることから、後者の方法が2つの中ではいい方法であろう。

 中距離のレースでは早いが、もっと長い距離のレースに参加するほど強くない鳩を持っている愛鳩家は、長距離レースに参加するのに適している血統と異種交配するとよい。血統を改良したり新しい特徴を取り入れたりすることは異種交配によってだけ可能である。

 近親交配はすでに鳩のチームにある性質を保持することが出来るだけでこの場合には役立たないだろう。

 2021年春1000Kレースの行方  イレブン  2021年5月4日(火) 18:14
修正
本日夕、1000kの持ち寄りの延期の知らせがありました。5月6日の予定でしたが、低気圧の接近等の気候不順で、見通しが持ていない状況のようです。関係者の方のご心労、一方ならぬものがあると存じます。

天気予報を見るとかなり実施期日が延びていくような感じです。テクニックは、ほぼ通用しないと思っています。鳩が持っている力が出せるようにするしかありませんね。1000kレース実施は、いつになるんでしょう。

今日は、イレブン家ののBBQでした。孫達も集まって和やかな一日を過ごしました。孫に雛を見せてやりました。興味はあるようですが、なかなか触ってくれませんでした。最近の子どもはこんな感じなんでしょうね。

 ■■『油性粒子理論 研究』A■■「THE EYES -鳩の目に関するレクチャー+鳩の選び方・育て方」◇第9回◇■(出典:『The eyes and other guides to success』 John Lambrechts 著:『愛鳩の友』誌、2006年6月号、P210〜P213より引用)  イレブン  2021年5月4日(火) 3:20
修正
連載第9回では、John Lambrechts さんの「筋肉」の理論と「耐久力」について述べられています。この二つのテーマについては、これまで、数多くの競翔家が注目して来た理論であり、話題にあがる機会も多い観点です。

John Lambrechts さんは「筋肉」について次のように指摘してます。

●筋肉構造の質を評価することは簡単に身につけられる技術ではなく、何年もかけて得た経験が鳩の筋肉の質を評価するのに大変重要である。そのため。技術を身につけるには様々な鳩をつかみ、何年も指先を訓練しなければならない。

そして更に、

●鳩はこの点に関して非常に様々な性質を持っているからである。だからどの鳩も一羽一羽別々に判断しなければならない。

と述べています。なかなか味わいのある文章ですね。

また、「耐久力」については、かなりの文字数をつかって理論を展開しています。次の連載10回では、更に、「飛ぶ方向を見つけること」について詳しく論じています。

この二つとも以前紹介してた素野さんの「鳩の持つ因子群を6つのカテゴリーに分類」した表では、「レース鳩の優性因子(子どもに現れる確率は高いが、配合によって失う場合もある)」に当たる因子ということになります。素野理論では、この「気質」や「体質」に当たる因子を「アイバンド」た「長い脚毛」との関係で捉えています。

このように他の理論と結びつけていくといろんな発見が出来るかも知れませんね。

 ■筋肉の構造■  John Lambrechts   2021年5月4日(火) 3:22 修正
 鳩の筋肉について判断するとき、調べる時の鳩の状態によって異なる、ということを忘れてはいけない。

 緊張しているときの鳩の筋肉は、手触りが固くなくても、実際には固くなっているようだ。またレースから戻った直後だといくらか筋肉はゆるむようである。

 鳩の筋肉を判断するのに理想的なのは鳩がリラックスして休んでいるときである。
 筋肉構造の質を評価することは簡単に身につけられる技術ではなく、何年もかけて得た経験が鳩の筋肉の質を評価するのに大変重要である。そのため。技術を身につけるには様々な鳩をつかみ、何年も指先を訓練しなければならない。

 このことは、鳩について特にいえることである。なぜなら、鳩はこの点に関して非常に様々な性質を持っているからである。だからどの鳩も一羽一羽別々に判断しなければならない。

 例えば、主要な筋肉が。胸骨の竜骨突起や胸骨の近くにある鳩もいる。一方、一センチメートルやそれ以上も高いところにある鳩もいる。筋肉をなでてみると、もっとはっきりわかるようになる。

 少し前、まだ私自身がスポーツの世界で現役だった頃、週に何回か来てくれるマッサージ師は。筋肉をさらに動かすことができるようにする前に疲労を取り除くことから始めたものだ。そしてまた、私が前日にどれ位筋肉を使ったかを判断できるくらい素晴らしい指先を持った人であった。

 筋肉は柔軟になればなるほど多くのことが出来るようになるにちがいない。

 スケート選手の筋肉は、ヨーロッパの世界選手権に参加するとき、最商の状態で試合に臨む。テレビを見ていると、しばしばこれらのスピードの違い、鉄のような強さを持つ選手が、しなやかだが力のあるストロークで、何マイルも走っているのを認めることが出来る。運動選手なら誰しもが、スターの座につくまで従ってきたトレーニング方法の厳しさを、正しく理解出来るにちがいない。

 筋肉のたくましい鳩を見てみたいと思うが、最も良い鳩が必ずしも大きい筋肉をもっているとは限らない。それよりも血がよいことがもっと重要であり、活力と血の善し悪しが、主に鳩の価値を決定する。

 鳩の筋肉は健康なときに、指先で触れると震えているように感じられる。この時、鳩の精神状態が最も重要である。鳩が良い体型になればなるほど、また神経質になればなるほど、筋肉の緊張は強くなるようであるが、極度の緊張は不利なときがある。なぜなら神経質な鳩は、冷静な鳩より回復するのに時間がかかるからである。

 1967年の悲劇的なレースで命を失ってしまったセークという鳩は、回復に長い時間がかかった。しかし休息したあとで放鳩篭に入れられると、成績は素晴らしいものだった。いつも楽々と入賞したのである。

 ■耐久力    2021年5月4日(火) 3:28 修正
 若い頃、アントワープのスポーツ競技場で、リンブルフの競輪選手であるヘラルド・ロンケが短距離を全速力で走っているのをみたことがある。
 彼は一流のチャンピオンに必要とされるすべての要素を持っていたため、多くのサポーターが彼のことをカレッケ(小さな二輪車)と親しみを込めて呼んだ。

 しかしカレッケは頂点には立てなかった。

 30代のときの6六日間の自転車レースで、カレッケ・ロンケは5日と23時間は、競走相手を負かしていたが、ゴールの40分前に「ひどく疲れた」からとレースを諦めてしまったのである。彼は意志の力が弱かったのである。

 また、兄弟のアントンも同じようにとてもよい才能を持っていたが、またすぐに敗北を認めてしまう傾向があった。

 これらの精神的要素は、車にとって燃料が重要であるのと同様に選手にとって重要なことである。クラス、競争において適性及び粘り強さは鳩の競技でも成功のために必要なことを、改めて言おう。

 鳩が素晴らしい成績を残したとき、所有者は鳩に偉大な自転車競技の選手や、フットボールの選手にちなんだ名前をつけている。しかし、鳩がすばやく鳩舎に戻ろうとする意志を急に失くしてしまったとき、有名な名前は何か役に立つのだろうか。

 戻る意志をなくしてしまうのにはどんな理由があるのだろうか。まず第一に鳩の健康に影響を与えるほど強い疲労感が考えられる。非常にまれなことだが、短い期間でも何度も放鳩カゴに入れられることによって起こる疲労もあるだろう。また鳩舎の中で、あるい舎外中に、何かが起こるかもしれない。

 確実にいえることがあるとしたら、何よりもまず、鳩は粘り強さが必要であるということだ。

 1971年の3月に、友人のファン・ライン&クロークとコンスタント・ライマーカーと私はパークス・ポートの本部で、ブレダ・セントラル連合会によって主催された委員会に参加した。聴衆から次のように質問された。

 「7番目の翼の羽の重要性は何ですか。また6番目や8番目と比べてその長さの重要性は何なのですか」。

 私は7番目の羽をどのように見るかを説明した。8・9・10番目の羽と共に直線を形作っていなければならないし、先端はよく丸まっていて全体的に幾分下の方に向かつて曲げられている。

 「それでは、完全な7番目の羽を持っている鳩はとても良い鳩に違いありませんね」と前の質問者が締めくくろうとしたとき、

 「いや、必ずしもそうではありません。せいぜい、そのような羽は長距離レース用の鳩にとって望まれる特徴であるというに過ぎません」。私は答えた。

 先端が鋭がりすぎているので、その羽の形が好きではないというようなことがよくある。しかし、レースではそのような鳩は時々いい成績を収めるということがある。

 鳩の特徴は、すべて重要なのである。

 時々私は鳩の意志の強さは、どの程度まで伸びるのかと思う。決然とした鳩というのは、一つの鳩舎だけを認識し、そこに戻れないなどということはめったにない。

 前にも述べたが、1971年の冬に生まれた29羽の若い鳩のほとんどすべては 一晩か、時には二晩も三晩も外に放鳩されたままたったが、結局、自力ですべての鳩が戻ってきた。これは私かいつも自分の血統に残そうと努めてきた要素である。戻ってくる途中で止まってしまうことの多い鳩は厳格に取り除かれるべきである。

 意志の力、つまり粘り強さは両親から受け継がれる血統上の特徴である。粘り強さと忍耐力を合わせ持つような鳩は、早く飛べるレース鳩になるどころか、国で一番の鳩になる可能性が十分ある。途中で駄目にならないような意志の力を持っているのである。

 鳩が3ヶ月から4ヶ月の間ずっと毎週レースに勝つことが出来るのは、この特徴によるものである。なおかつ、それと同じくらい私は、強い骨格構造、特に丈夫な背部といった必要とされる体の特徴を、生まれつき持っている特性を好んでいる。

 それでも、意志の強さと粘り強さが強くない鳩が、一流のレース鳩になる例はたくさんある。しかし、連続して多くのレースで、よい成績を取り続けられるかどうかは全く別問題である。このような鳩はたいていよい特徴を授けられた鳩より早くレースをあきらめてしまう。なぜならば疲労から回復するのに、時間がかかるからである。

 ヒュースケン・ファン・リールの有名な鳩であるゾッテケ(愚かな鳩)の成績を見てみよう。(※上画像挿入:イレブン)

 最も天気の悪い時のサンバンサンから、戻ってくるトップ集団の中をまるで縫うように帰還したことがある。ゾッテケが有名になる前に「小さすぎて、多分かよわすぎる鳩だろう」と言っていた専門家はこのレースを機に考え直したことだろう。

 一見したところ、かよわい構造でもゾッテケは強い忍耐力と共に、たくさんの特性を内に秘めていたことが、優れた成功をいくつも収めたあとで判った。このことは、どんな鳩にも起こりうるものである。

 この場合、持主はこの小さな素晴らしい鳩に期待していなかったことを、どんなに不思議と思ったことだろう。

 特性のある鳩、特に肉体的に本当に強い鳩となるような羽を与えられている鳩が私は好きである。私の新しい血統の祖先の九割はこの種の鳩である。

 いつも成績のよい堅実な鳩は。よい特性をもっていないということがあるだろうか? 際立って優れているどんな鳩でも、耐久力を持っているといえる。たとえ一見して判らなくてもそうである。

 鳩をレースに持ち寄る時、私は鳩を巣箱でつかむ前にその鳩が好きなものを与える。
 「バーレ鳩はさわられるのが好きではない」とノーヘレからきたグスト・ドーバーレは1971年のラパイゲ委員会で話してくれた。しかしバーレ兄弟の鳩は必ず優勝することができる。

 どの愛鳩家も、鳩舎での経験から鳩が各々どの程度違ったものであるかを知っている。鳩舎に入ると、子を守るためにすぐに巣房に飛んでいく鳩がいる。近づいていくと、撃退しようという態度を示す。

 私の鳩舎では、古いヒュースケン・ファン・リール系の子孫は、同様に行動する。基になるはハベニス系の何羽かの鳩もこのように行動している。

ファン・ローイやラッペ(”速いヤツ”の意味)が多分この点では最もねばり強いであろう。休む間もなく翼で叩いてくるだろう。私はこれらの2つの血統は特性を持っているので好きである。今までベルギーで見た中で最も良い鳩の部類に入る鳩だろう。

 私達が鳩舎に入るとすぐに止まり木から離れる鳩が2、3羽いる。もちろんその鳩はヒナ鳩はいないし卵を抱いてもいない状態である。床かどこかに止まり、怪しいと思って私達のすべての動きを追っているときがある。このような鳩は、賢すぎるのでつかんだりすることはない。しかし触ったりしようとしなければ、餌をやろうとすると膝に止まったりする。なので鳩舎に人々が訪れることがある場合も、私の鳩は混乱して、羽ばたいたりしない。

 そして私はいつも、鳩を踏まないようにと頼まなければならない。なぜなら靴一足分の距離まで近づいても、鳩は1インチも動かないからである。

 しかし鳩をつかもうとしようものなら、メルクス以外の鳩は、彼の兄弟ですら、一目散に逃げるだろう。

 ※昨日、「第一印象」の項を飛ばして掲示板にアップしていました。申し訳ございません。  イレブン  2021年5月4日(火) 3:03
修正
昨日アップしていた「『THE EYES -鳩の目に関するレクチャー+鳩の選び方・育て方」◇第8回◇』」の、「第一印象」の項を飛ばして掲示板にアップしていました。申し訳ございません。修正しています。

 ■■『油性粒子理論 研究』A■■「THE EYES -鳩の目に関するレクチャー+鳩の選び方・育て方」◇第8回◇■(出典:『The eyes and other guides to success』 John Lambrechts 著:『愛鳩の友』誌、2006年5月号、P120〜P123より引用)  イレブン  2021年5月3日(月) 3:09
修正
第8回の連載内容は「自由交配論」の危険性から、「選鳩」の理論へと展開していきます。(第7回の論文を現在調査中ですが、交配理論が中心となっているのでしょう。)John Lambrechts さんは、その選鳩理論を「第一印象」の重要性から始めています。そして、

●「鳩を選別する際の、正しい価値判断の基準として、第一印象は決定的な要因となる。」

とはっきり述べています。

ここに、John Lambrechts 理論の独自性や深さを感じさせます。このあたりが、『The eyes and other guides to success』が。長年にわたって世界中で読み続けられてきた理由の一つのようです。

更に、価値判断の基準として「羽毛」「バランス」、「筋肉の構造」、「耐久力」、「飛ぶ方向を見つけること」と続いていきます。大切なのは、こうした理論の上に立って「眼」の理論を述べていると言うことです。

※昨日、「第一印象」の項を飛ばして掲示板にアップしていました。申し訳ございません。

  ■自由な交配■  John Lambrechts   2021年5月3日(月) 3:36 修正
 自分の鳩舎から、将来性のある優秀な種鳩を選べず、また、子孫を成功させるためベストな方法で交配ができない愛鳩家は、しばしばこんなアドバイスを受ける。
 「別の鳩と掛け合わせてみれば?」
 よい方法かも知れない。もちろん、思ったとおりの結果が確実に得られるとは限らない。しかし成功のチャンスが減るにしても、せいぜい50%程度だ。何によらず、可能性という要素は、ゼロということはないものだ。

  1944年、終戦の年、私の鳩舎で一つがいの雄鳩と雌鳩が互いに気を引き合っていた。2羽の性質は適合していると考えられたため、1945年から後の何年間か、そのままつがいにさせておいた。そのペアは同じラインの鳩で〃アウデ・ハベニス” ”ヴィトコップ・ダイフィン“として知られつつあった。このつがいからは優勝鳩が続々と誕生し、1947年以降、The Royal Borgerhout of Fancierの後援で行われたレースでは、あらゆる距離で優勝し、称賛を受けた。

 この特別優秀なつがいの子孫が、何代にもわたって影響を及ぼし、未だに私の鳩舎の鳩質を左右している。もちろん、その間に数回の異種交配を行ってきた。しかし、白い頭部と胡麻のボディ、そして白い風切羽が、定期的に現在の鳩にも表れてくる。1945年のオリジナル・カップルの主要な特徴である。私にとって大きな意味のあることだ。

  1967年、一羽の胡麻のイヤリング――後に優秀な成績を残し”エディ・メルクス”と呼ばれるようになる―が、雌鳩に求愛を始めた。お相手は”ヴィットスター卜”を母に持つ、栗の1年子である。2羽ともウィドウフッド(やもめ)システムの鳩舎に入れる予定だったので、私は2羽の仲を認めてやることにした。

 このペアの子の雄鳩を、たまたま飼い続けていた。1967年の間じゅう、他の若鳩にひっそりと紛れていて、一度もレースに出ていなかった。しかし、換羽の後、とても調和の取れた発達を見せ、優秀な鳩であることがわかったのだ。そして次の年には、我々のお気に入りの鳩となった。

 事実、その年に4回優勝した。1回はアントワープの強豪連合会とのレースで勝ち、あとの3回は、イヤリングのレースだった。その結果、両親は、同年7月に種鳩に昇格したのだった。

 大部分の愛鳩家も、同様のことを経験しているはずだ。しかし、だからといって我々は、この件を鳩の思うに任せておいてはいけない。現に、飼い主が冬の間に計画を練って行った配合は、鳩任せの場合よりも、当たりとなる確率が遥かに高いのである。時たまうまくいくからといって、交配の方針に影響を与えてはならない。ピジョンスポーツにおいては、意外なことがらや偶然の出来事からは、望むような結果は生まれないのが常なのだから。

 ■第一印象■    2021年5月4日(火) 2:57 修正
 鳩は生きている謎だと言われる。本当だろうか。恐らく、鳩の健康状態が良くない時とか、レース成績が振るわない時などは、そのとおりだろう。最上級のコンディションで放鳩籠に入れたはずの鳩が、どうしてまっすぐ鳩舎に帰ってシングル入賞しないのか。何度そう思ったことか。いったい何が起きたというのだ?

 優秀な鳩でも、ひとたび入賞し損ねると、その後長きにわたって成績が振るわないことがある。樵悴しきってしまったのだろうか。鳩舎ヘー直線に戻ろうという決意が、突如として消え失せてしまったのだろうか。何か原因かは、想像によるしかない。

 しかし、種鳩として、またレース鳩としての通常の能力について論じるなら、鳩というものは、専門家にとって謎めいてはいないし、判断を間違うことも滅多にない。彼ら専門家たちの判断能力は、いったい何が根拠となっているのだろうか。系統書の中身や、鳩の見た目しか手がかりがないというのに。その鳩を見知っていて、少なくとも目に見える鳩質が満足できるのであれば、祖先について検討することが重要だと考えるだろう。しかし、その鳩をこれまで見たことのない人でも、外見の典型的な特徴だけで概ね事足りる。

 鳩を選別する際の、正しい価値判断の基準として、第一印象は決定的な要因となる。もし、初めて見たときに感じるものがなければ、そのような鳩は淘汰してしまうようにアドバイスしている。

 かつては私も、第一印象が特に好ましいわけではない鳩について、血統に気を取られ、何かもっと見どころがあるのではないかと無理に探してしまうようなことが多々あった。そうすれば、たいていは何がしかの特長が見つかるものである。しかし結局は、そうやって見つけた特長も、貧弱な羽毛やか細い背中、表情に乏しい顔つき、バランスが悪いボディなどの欠点は補えないという結論に達してしまう。

 経験というものには、時折の失敗も含まれている。経験の良いところは、失敗から学ぶことができる点である。失敗は、他のことと同様、飼鳩においても重要なのだ。

 優れた鳩には欠点が少ないだろうし、そのような鳩は概ね、優秀なレース鳩や種鳩を生んでくれるものである。前にも述べたが、鳩体の大きさは基準とはならない。優秀なレース鳩には、大きいものも小さいものもいる。ただ、私は、種鳩なら中くらいかやや大きめの鳩が好ましいと思っている。繁殖のためには真に優秀な鳩が必要だ。愛鳩家たるもの、最初の頃より質が低下するのではなく、より良くなっていくような繁殖を目指さなければならないからである。

 例えば、強固な骨格構造が、あらゆる内臓を保護していないとしたら、鳩は長時間空中にいることはできないだろう。例えば、恥骨は短く頑丈でなくてはならない。二つの骨の端は互いに接近している。特に長距離バードで顕著である。

 また、恥骨は、鳩の腸を支える役割をしている。困難な長距離レースの最中、鳩は、腰と背骨を非常に酷使している。恥骨の二つの骨は、互いに接近すればするほど強力だし、鳩は、より長い距離を快適に飛ぶことかできる。このような恥骨を持たない鳩を繁殖には使わないし、竜骨突起や胸骨が、あまりに薄く鋭いときも、その鳩は用いないことにしている。

 鳩の骨の大部分は中空になっている。これは重要な特徴だ。軽くかつ太い骨を形づくることができる。これにより、鳩の体重は、驚くほど軽いものとなっている。


 ■羽  毛■    2021年5月4日(火) 3:13 修正
 鳩が素早く楽々と、長時間飛ぶには、注目すべき多くの要素がある。この点で、羽毛は最も重要である。羽毛の手触りがサテンのように滑らかで、輝いていること。このような調子のとき、鳩はやすやすと空を飛べるし。大雨の中でもあまり濡れずに済む。豊かですべすべした羽は、大変濃い純血の鳩であることを示している。今挙げたような特徴を持たない鳩は、我々の鳩舎にいることはできない。

 鳩を選別するときは第一印象が重要だが、羽毛は、翼との関連で、判断材料として最も注目される点のひとつである。柔らかく、ふわふわして、クッションのようであるべきだ。風切羽は長く豊かで、完全に広がる。

 羽毛は鳩の健康状態をも表す。艶がなく重い感じであるとか、乾いているような場合は、鳩自体が役立たずであるか、何らかの病気にかかっている可能性がある。また、管理の悪い鳩舎にいると、まず確実に羽毛の質は低下する。


  ■バランス■    2021年5月4日(火) 3:18 修正
 鳩は、調和が取れていて軽いという印象でなくてはならない。良い鳩を掴んでみると、大きさや体格から想定するより軽く感じられるに違いない。

 鳩体の完璧なバランスは、飛翔を楽々と行うための主要な必要条件である。これは種鳩にも当てはまる。なぜなら子孫がこの特徴を受け継ぐからである。バランスの良い鳩は楽に飛べるし、疲れを最小限に抑えることができる。

 この点を評価するときにも、決定的なのは第一印象だ。体重、羽毛、筋肉、翼の関節のしなやかさなどと同時に、全体のバランスによって飛翔能力が決まるのである。

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