この『イレブンの「Epigenetics」研究ノート』は、分子遺伝学の専門領域に踏み込む研究です。どうしても、その基本的な「業界用語」だけは、正確に理解しなければ、一歩も前に進むことができません。
この研究について、難しくてよくわからないという声を聞きますが、そうした意味で当然かも知れません。
もし、現在の鳩界に並河靖、素野哲、両先生ほどの人物がご健在でしたら、きっとこのテーマを取り扱って、私達に分かりやすい解説をしていただけただろうといつも思いながら、コツコツと研究を進めています。
この「Epigenetics」の理論を理解し、レース鳩の研究の中に取り込むことができれば、これまではっきりしなかった多くのテーマが格段と明らかになるはずです。
これから、研究を進めながら、折々に、この「Epigenetics」の理論を踏まえた上でのイレブンの「推論」を述べていきたいと思っています。最終的には、「Epigenetics的作出論」と呼べるような形でまとめれることができればと思いますが、10年がかりの研究となるでしょうね。
他の研究も進めながらの記述となりますので、月1〜2回程度の連載で進める予定です。できるだけ、わかりやすくなるように、原著には掲載されていないイラストや画像、関連資料サイトのリンクなどを追加しながら進めていく予定です。
興味がある方だけ目を通していただければと思っています。
春レースももうすぐ始まりますし、作出も取り掛かる忙しい時期になりましたが、イレブン自身も、この引用文を幾度も読み返しながら、大切な文章と思ったところを下記に抜粋していく考えです。思いついたことなども、メモしていきたいと考えています。
今回の連載内容は、第2章エピジェネティクスの分子基盤の「1 ゲノムに刷り込まれる情報」です。
この第2章の内容は、タイトルの「エピジェネティクスの分子基盤」が示しているように 「エピジェネティクス」を理解する上で基盤となる分子遺伝学上の基礎理論というべき内容です。ちょっとややこしい内容ですが、著者の仲野徹さんが述べられているように、ここをなんとか自分のものにできるようになれば、「エピジェネティクス」そのものがどういう遺伝現象を意味しているのかがスッキリと見えてきます。
一つ一つの節ごとに丁寧に進めて行く予定です。まずは、第1節「ゲノムに刷り込まれる情報」です。
◆◆◆◆◆◆◆◆本文からの抜粋◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
□生殖細胞…オスでの精子とメスでの卵子、および、それらの細胞を作り出す元になる細胞のこと
□体細胞…生殖細胞以外のすべての細胞をさす
○体細胞は、その個体が生きている間の1代きりしか機能せず、個体が死んでしまったらそれでおしまいの細胞である。それに対して、生殖細胞は、個体が死んだ後も、その遺伝情報を子々孫々へと伝えていける唯一の細胞系列なのである。
○細胞の核の中にはDNAが存在し、その情報は、アデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)という4種類の塩基の並び方によって決定されている。
○DNAの構造は二重らせんであり、AとT、GとCが、それぞれ対をなしており、われわれ人間の体細胞1個には、およそ60億もの塩基対が存在している。
○ゲノムとはもともと、染色体の1組(ヒトでいうと23本分の染色体、あるいはそのDNAの総体)をさす言葉であった。
○現在では、ゲノムが『全遺伝情報』と訳されることからわかるように、DNAの総体(ヒトでいうと体細砲に存在する46本の染色体にあるDNAの塩基配列のすべて)をさすことも多い。「個人のゲノム解析」というような楊合のゲノムは後者の意味であって、ある人かもっているDNAの総体、すなわち、DNAのもつ遺伝情報すべてをいう。
〇父親に由来するゲノム(父性ゲノム)を、あるいは母親に由来するゲノム(母性ゲノム)というような場合は、それぞれの配偶子ゲノム(精子または卵子に由来する染色体あるいはDNAの総体)という意味であり、半数体のゲノムをさす。いちいち区別して説明しないが、ゲノムには2通りの意味かあると知っておいてもらいたい。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ |