秋レースを闘っている最中のことと思います。今秋はどのようなシーズンになりそうですか。新たな気持ちで精進いたしましょう。
◆◆◆ この鳩はアツイぜ! ◆◆◆
私の所属いたしております北九州第一支部では9月早々、50キロ訓練を終えました。山口県の観光名所、鍾乳洞の秋芳洞の近くから放鳩しました「小さな海越え」です。放鳩地近くが盆地になっており、また錘乳洞の辺りなど何百万年前の地層の上に新しい地層が乗っている構造で、地磁気が狂いやすいようです。帰りは平均して5割、私の鳩舎で8割ほどでした (※註 1 )から、まあまあですね。さて、最終レースを念頭に置いた若鳩の管理について付け加えます。
※註 1…でも、いい鳩から落ちていくものです。
若鳩に高脂肪のエサを与えると舎外の飛びが鈍ることはすでにお話いたしました。発情が来て、飛んでいてもオスはメスを呼び、メスはオスにくっついていこうとし、ビュンビュンいう飛びからはほど遠くなります。
秋レースはスピード戦です。エサは大粒のほうが消化が早く、炭水化物を多く含むので体内で早く燃えるのです。こちらで大粒といえばトウモロコシ (註 2 )一点張りです。「愛鳩の友」を見ていると、トウモロコシの他にエンドウ、白エンドウといった綺麗な大粒もあるようですね。東京のほうはエサがいいんだな、こっちにくるのはお下がりなんだなあ、などど考えております。
※註 2…ベルギー人いわく、「黄色い前歯」。あの人達は放鳩地ではトウモロコシだけしかやらないそうです。
換羽をしながらのレースの場合、体温の上昇に気をつけてください。主翼の9枚目:、10枚目が抜ける3日くらい前から急に体温が上がります。これは、抜けにくい羽を抜くために体が準備しているのです。10枚目など、骨に近いところまで芯が達しているので、手で引っこ抜くにも他の羽の倍の力がいります。体の温度を上げて抜け落ちやすくしているのでしよう。ブロイラ ーの羽毛を抜くときもお湯に数分ひたしてからすると聞いています (註 3 )が、同じ理屈ですね。
※註 3…親しらずが抜ける時、熱が出ることがありますね。
9枚目が抜け、7割方生えてくるころに次の10枚目が抜けますから、そのころ鳩を掴んでみて普段より一層温かいと感じたら、抜ける前兆です。調子が上がってきたと錯覚して仕上げをしないでください。抜けたら、雄は元気がなくなります。また、レース本番で主翼10枚目なしで飛ぶことになりそうなオスに限って、参加を見合せたほうがいいかとも思います。人間と同じで鳩もオスのほうがメスより皮下脂肪が付きにくく、「お弁当」が小さいのです。秋レースの最終500キ口は殆どが翌日戦になりますので、お弁当は少ない羽根も少ないオスは極端に帰りが悪くなります。酷なので止めます。
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