HOMEスネークパパの掲示板をリニューアルしました。コンテンツのページから『【新】スネークパパの掲示』のバーをクイックして入り直して下さい。コンテンツのページには画面左上の文字[HOME]をクイックして下さい。2018年6月30日イレブン 投稿
 帝王稚内3号(旧名佐々木稚内3号) イレブン  2018年6月9日(土) 22:47
修正
データ紹介の依頼がありましたので掲示します。

 表情拡大画像 イレブン  2018年6月9日(土) 22:52 修正
帝王稚内3号の眼について問い合わせがありましたのでここに記述します。
帝王稚内3号をイレブンは見たことがありませんので、昨日、スネークパパさんに電話で教えてもらいましたので聞いたままを書き留めます。

スネークパパさんが帝王稚内3号を初めて掴んでみられたのは、稚内レースの持ち寄りの時だったそうです。この時、パパさんは、この鳩なら稚内を帰るだろうと直感したそうです。そのくらいすばらし鳩だったのでしょう。

眼について次のような眼だったそうです。

・厚みがあり光輝き幅のある金のアイサイン
・その輝く金がそのまま広がっている第1光彩。つまり厚みのある金のべた眼
・その金のべた眼の上にバイオレット粒子の分厚い第2光彩がぐるっと巻いていた。
・下地の金の上にバイオレットの粒子が乗っているため、その第2光彩は、光の当たり具合で、グリーンに見えたり、バイオレットに見えたりする複雑な輝きがある第1級のすばらしい眼であった。

とのことでした。

スネークパパさんの説明の中で金のべた眼の部分はイレブン鳩舎のブラックパール号の眼が帝王稚内3号の眼とほぼ同じだそうです。
このブラックパール号は帝王稚内3号の重近親配合による帝王ロフトの作出鳩です。



 ブラックパール号 イレブン  2018年6月15日(金) 13:55 修正

 ブラックパール号の眼 イレブン  2018年6月15日(金) 13:58 修正
帝王稚内3号の金のべた眼部分は、このブラックパール号の眼と同じだったそうです。このブラックパール号の眼は金の部分と消し炭のように色がない部分がありますが(ブドー眼ではありません)、帝王稚内3号は全部金のべた眼になっていたとのことです。この眼にバイオレット粒子の分厚い第2光彩がついた眼だと理解すればよいようです。下地が金なのでグリーンに見えたり、黒く見えたりするパールアイの構造になっていたと言うことでしょうね。



 イレブン編「ピート・デウェールトの回想録」語録集 後編の編集作業が完了しました! イレブン  2018年6月13日(水) 21:15
修正
イレブン編「ピート・デウェールトの回想録」語録集 後編の編集作業が完了しました! ピートさんの近親論は、今読み返しても圧巻です。愛鳩の友社が出版した製本版では、この部分が完全に省略されているのですが、今以て理由が理解できません。ピートさんの回想録の中で、一番おいしい部分なんですが・・・。


◇◇◇イレブン編「ピート・デウェールトの回想録」語録集 後編 もくじ◇◇◇

■イレブン編「ピート・デウェールトの回想録」語録集 第6集 アロワ・ステッケルボート系探求

■イレブン編「ピート・デウェールトの回想録」語録集 第7集 ステッケルバウトの配合システム

■イレブン編「ピート・デウェールトの回想録」語録集 第8集 ピート・デウェールトの近親論【全文掲載】1〜16

・ 『Dr.リンゼンの教訓』・ 『優性遺伝という切り札』・ 『近親交配の勇者たち』
・ 『退化について』・ 『シオンの“交配”』

■イレブン編「ピート・デウェールトの回想録」語録集 第9集 ピート・デウェールトの近親論【全文掲載】17〜32

・『誤った近親交配』・『近親交配と退化』・『有能な作出者とは』・『誤った淘汰の結果』
・『濃密な近親交配』・『偉大なるブリクー』・『定量的性質の遺伝性』・『バイタリティー』
・『鑑識眼とは何か』

■イレブン編「ピート・デウェールトの回想録」語録集 第10集 ピート・デウェールト近親論研究

 【新編】イレブン編「ピート・デウェールトの回想録」語録集(前編) イレブン  2018年6月10日(日) 13:45
修正
イレブン編「ピート・デウェールの回想録」語録集の編集は一度完成しかけたのですが、データ量が多すぎて、CGIが対応できなくなったため、再編集の作業をしていました。

現在のJ・W・ラングストンさんの目の理論の研究を進める際に、ピートさんの回想録の語録集も引用する構想なので同時進行の作業を行っています。

データがパンクしないように前編と後編に分けてコーナーを設置する予定です。やっと前編が完成しました。興味がある方はごらんにいただければと思います。以前より見やすくなっていると思います。

  ◇◇◇イレブン編「ピート・デウェールトの回想録」語録集(前編)◇◇◇

■第1集 「異血配合」と「近親配合」 =ファンデウェーゲンとモーリス・デルバール=

■第2集 マルクローセンス研究1 =ローセンス系の代表鳩達=

■第3集 マルクローセンス研究2 =ローセンス系ゴールデン当たり配合【525×ラ・シーラ】研究=

■第4集 マルクローセンス研究3 =ローセンス系研究《基礎鳩編》ファンスピタールーからコーニ−ル・ホーレマンへ =

■第5集 ピート・デウェールトの銘鳩観

 ◇「目の理論」徹底検証A◇J.W.ラングストン氏の「サークルオブアダプテーション(C/A)論」   イレブン  2018年5月26日(土) 20:25
修正
チャンピオン・ダイジェスト誌の1982年10月号から1983年6月号まで9回連続で連載されたJ.W.ラングストン著『Wシステム必勝法』は、全体にわたってとても示唆に富んだ説得力のある内容です。しかし、雑誌での連載のみで邦訳版の単行本としては発刊されていないので、今となっては手に入れることは不可能です。

チャンピオン・ダイジェスト誌は当時鳩界で発刊されていた諸雑誌の中では、最も研究性が高い内容の雑誌でした。目の理論についてもカラー版で当時の銘鳩たちの画像を長年にわたって掲載されたり、眼に関する特集記事も数多く編集されています。海外で出版されているレース鳩研究書を数多く邦訳されて紹介されているのも同誌の特質です。編集者は、あの系統研究書の名著『ANDRE VANBRUAENE』の著者吉原謙以知氏です。納得しますね。

さて、今回、シリーズ連載『「目の理論」徹底検証』の第2弾としてJ.W.ラングストン氏『『Wシステム必勝法』の中の「第3章”目”の理論」を取り上げることにしました。この内容はチャンピオン・ダイジェスト誌1982年12月号と1983年1月号の2号にわたって連載されています。

当初、イレブンは、この中の主要な理論部分だけを抜粋して、考察を加えようと考えていましたが、著者の主意をそこなわないように伝えるためには、最低この第3章の全文は書き起こす必要があると考えるに至りました。この手法は、ピートさんの研究の際もとった方法です。時間はかかりますが、まずは全文紹介をした後、主要部分を引用し、J.W.ラングストン氏の目の理論に考察を加えていく考えです。

 □□□ 『Wシステム必勝法』 ”眼”の理論ノートと共に J.W.ラングストン著 第3回   2018年5月29日(火) 13:52 修正
■第3章”目”の理論 ■

私はいわゆる”系統”には、あまりこだわりません。
しかし、鳩のタイプ、型(体形)には特に注意をはらっています。わけても、「目」に関しては、わたしのもっとも重要な判断の材料となるところです。

「目」そのものが、遠い未知の地より放たれた鳩を果てしない距離を超えて巣に帰す……というものではありません。つまり、「目」そのものが、帰巣性の主たる要因ではないことは確かなようです。しかし、完璧な帰巣性を発揮させるべく、この帰巣本能と同様に新鮮で、広い確かな視界が必要であることは当然のことと言えるでしょう。

◇ 鳩の”目”とコウモリの”耳” ◇

コウモリは、天井から床に何本ものピアノ線が張られた部屋の中でも、決してピアノ線にぶつからないで部屋中を飛び回ることが、実験の結果、証明されています。しかし、コウモリの耳をテープか何かでふさいでしまうと、まるで手足がない生き物のように床にうずくまって身動きすらしなくなってしまいます。

鳩の”目”をやはりテープなどでおおってしまうと、鳩の帰巣能力は失われてしまいます。

コウモリの”耳”、鳩の”目”、どちらの器官ももそれぞれの飛行能力に何か特別に、深い関わりがあるというわけではありません。それにもかかわらず、コウモリも鳩も「飛行」をコントロールする中枢神経の機能が脳に直結し、停止させられてしまうのです。

それは何故でしょうか。

◇ ”理論”なんてクソくらえ派 ◇

コウモリは、自身に接近するあらゆる物体から発生する音波を超聴覚により物体の接近、危険を感知し逃れることができるのです。

一方、鳩は速く正確に飛ぶために、そのすべてを視界に頼っているのです。

競翔家の間で、よく共通して、私が見る限り、さまざまなタイプや型の鳩を見せ、時には明らかに何らかの欠点があるような鳩でさえも、そのことに気付かずに、この鳩で勝てる、と誇らしげに主張している言葉が聞かれることがあります。

なぜならば、それは明らかに肉体的な欠点のある鳩でなければ、自鳩舎が飼育する端数の中から選りすぐった、100羽に1羽しかないほどの生え抜きの1羽だからだ、とその競翔家が信じ込んでしまっているからなのです。

このことがあまり望みのない勝利を勝ち得んとするために、その1羽に望みを託す結果となってしまう理由(いわれ)なのでしょうか。

私を含めてあらゆる競翔家について、最初の若鳩レースに参加する以前に、我々独自の経験や判断という”ものさし”に頼り、若鳩を選別してしまうことや、また、それら選別した10羽前後の若鳩を自鳩舎の生え抜きであることを確信してしまうことはベターな方法であるとは言えないと思われます。そして、それらの鳩が真に理想のレース鳩であると錯覚してしまって良いものでしょうか。

選別した鳩は50マイル(80K)の訓練を経験しているし、現在も訓練中だ。そして、十分に訓練された上で巣遠くバードにするつもりだ。一部は種鳩として、残りは来シーズン必ずや期待通りに飛んでくれるチーム鳩となるだろう……と主張される競翔家もおられることでしょう。

”理論”なんかには腐ったトマトでもぶつけてやるさ。”理論”なんかクソくらえ!!だ。”目”の理論や”翼”の理論なんて一体全体何の役に立つんだ。銘鳩こそ銘鳩を生むんだ。どんな競翔家に聞いてみたって、皆口をそろえて、同じことを言うだろう。そして、それらの忠言に耳をかせば、たいした、失敗をすることもないだろう……と断言される御仁もあろうかと思われます。ですが、これまで多くの熟達したベテラン競翔家達が、理想的な、手本となるようなレース鳩を作り出し完成させてきている、とは、決して断言できない、というのが私の持論なのです。

そこで”目”の理論を述べる前に”体型”やタイプについて少し述べようと思います。

◇プロの”賭け師”とアマチュア・ファン◇

競馬において、掛け金の賭け方や馬券の買い方も特に難しい技術が必要だと言うことはありません。単に賭けるだけならば、自分が1着、2着になるであろうと思う馬を選びその馬券を買いさえすれば良いわけですから。当たればオッズの倍率によって配当金がもらえるわけです。

ところがどういう訳か”賭け元”が儲かり、大多数の”賭け屋”が損をするように出来ているのが現状のようです。プロの”賭け師”でさえ、型やタイプなど研究せずに儲け、大損をしているケースが多く見られるのも事実のようです。

多少疑問は残りますが、競馬のアマチュア・ファンの中には、着実にもうけて競馬の利益で豊か生活している人も結構いるものです。そういった一人が私の知人の中にいます。

◇非科学的要素の研究◇

私の知人は、多くの競馬ファンがするような競馬新聞を読んだり、テレビ・ラジオからの競馬情報に耳を傾ける、ということはほとんどしませんでした。そんかわり彼はあらゆる資料をもとに、馬そのものを研究し、型やタイプを詳しく時間をかけて調べ、独自の研究資料として整理しました。それは決して競馬の研究ではなく馬の研究なのです。そして、彼は勝負するレースの勝ち馬を決めるのに毎日8〜10時間ぐらいじっくりと時間をかけていたようです。ねっしんに研究を重ね、苦心した結果、彼は独自の方法で勝ち馬を見つけ出す術(すべ)を発見したのです。彼が成功し、巨万の富を築いたということは言うまでもありません。

同様に、鳩レースの世界で成功することを願うならば、一見非科学的に思えることでも独自の方法で研究を重ねるならば、それは立派な科学的根拠のある研究として、きっと日の目を見る日もやって来ると思います。むしろ、銘鳩の子こそ銘鳩たらん、ということこそ非科学的要素といわざるをえないでしょうか。

競翔家を志す者は何人と言えど、自分の競翔歴を通して非科学的要素の研究をし、独自の理論を構築しなければならないのではないでしょうか。

◇銘鳩の父は銘鳩?◇

銘鳩は銘鳩を生む。しかり。確かに正論ではありますが、我々の所有する鳩のほとんどは、まだ十分にレースでテストされていない、将来、チャンピオン鳩となる可能性を秘めているか、あるいは全くの飛ばない駄鳩であることを証明するに過ぎないかのどちらかの当歳鳩かせいぜい2歳鳩から作出されています。我々はチャンピオン鳩を目にすると、その仔を手に入れることによって、この上ない誇りと満足を味わいます。しかし、もし我々がその鳩の作翔者を無視したならば、我々は単なる銘鳩の仔であると言うだけの一見ミラビヤかなコートを着た平凡な鳩から作出する結果になるでしょう。

言い換えれば、昔の話で言う、教師デモなろうか、教師シカなれない、の”デモシカ教師”調や、あがレバ役満、当たっタラ万馬券、の”レバタラ麻雀”・”レバタラ競馬”調のように、銘鳩のハズだ、銘鳩カモしれない、の”ハズカモ銘鳩”を手に入れ、ヌカ喜びをさせられているに過ぎないのです。

銘鳩の作翔者の理論とは、希望をもたらすか、失望させられるか、鳩舎の不確かな運命を決定づける価値あるものなのです。

つまり銘鳩の父は銘鳩ではなく、銘鳩の父はその作翔者とその理論であることを心しなければならないでしょう。

◇”目”は翼ほどに……◇

”目”の理論はあらゆる成鳩のみならず、若鳩においても最良の判断を与ええてくれるものです。鳩の目は一般的にみて、年月と共に成長し、その機能も高められます。一才鳩であれば当然、雛や若鳩より鮮明な目をしています。

”目”の正常な機能は、ほぼ生後7〜8週間の雛、ちょうど初めて舎外に出される頃に定着し始めます。しかし、まだ、完全とは言えません。つまり、このような早期に、その若鳩がレース鳩としてのずば抜けた潜在能力があるか否かを、目を見ることによって見抜くことができるのです。私について言えば、この時期の若鳩の”目”をもとに好鳩の選別をすることこそ、必勝の鍵なのです。この私の”目”の理論こそレースの上で実証されているカギなのです。

この時期の若鳩について、”目”の発達上の第1関門として失踪が言われます。この時期の若鳩の骨格、及び肉体上の発達は非常に早く、十分に飛翔能力も備わっています。ところが目の発育の方が肉体葉裏も遅いために、完全な広い視野の確保、方向感覚の不確実などの理由により、まるで集団失踪のように見当違いの遙か彼方の方角へ我が巣を求めて飛び去ってしまうのです。

まさに、”目”は翼ほどに、その秘めたる能力を教えてくれる最良の判断と言えます。

◇目が良けりゃ種も良い◇

そのような理由から、経験豊かな知識と言われる競翔家達は、若鳩が初めての舎外からどのように巣に帰ってくるか注意深く観察し、入舎させます。そして、若鳩たちが自分の巣に確実に定着し、この若鳩にとっての第一関門を無事乗り越えれるまで慎重に観察を繰り返します。もちろん、私も同様の注意を払いながら何度も繰り返し、トラップを通過することに慣れさせます。

その後、生後10週間になるまでは、あるいは訓練に持って行くまでは、決して朝に舎外をさせないで夕方に舎外させるようにします。それは、まだ十分に視界と方向感覚がそなわっていない若鳩たちを失踪させないための保護なのです。

この舎外が終了する時期までに成長した若鳩たちは、ちょうど時計屋が目に当てて使用するような拡大鏡を使って注意深く”目”の観察記録をとっておきます。この時期になってもあまり鮮明度の良くない若鳩は、これからの本格的な訓練の途中で、ほとんどまちがいなく、失踪してしまうか巣に帰る状況が思わしくないはずです。つまり、レース鳩として失格なのです。鳩は最良の視界、方向感覚を備えていなければなりません。もし、目の発達が全体的に肉体のそれよりも遅れている場合は、むしろそれは明らかな欠格であり、この先将来、長期にわたってその鳩の成績や記録を見るまでもなく、”失格”が予想されるのです。そうゆう種類の鳩の目の観察記録に十分配慮し、経験を積むほどに、早期に、わずか生後10週間前後の非常に速い時期に好鳩の選別をすることが出来るのです。レース鳩としてならば、長く訓練をしたり、あるいはレースで実際に使翔してみれば、その結果が早期に下した判断とほぼ間違いがなかったことが証明され、良い実験証明例となり、貴重な経験及び競翔家としての自信となるもで好都合とも言えますが、種鳩としての話は別です。

”目”の輝き、鮮明度が良くない鳩は、全く種鳩としては度外視すべきなのです。それは優劣性遺伝によって、次代へ顕著に受け継がれていくからです。

目の観察には、前述した時計屋や宝石商が目に当てて使用する拡大鏡がよいでしょう。両手が自由に使え、鳩の目を太陽の光に都合良くあてることが出来るからです。

◇ベストな目とは◇

まず初めに、我々が探し求める”目”とは、全体が完全に円球刑をしている輝きのある鮮明な”目”です。それは、鳩の聡明さ、油断のない用心深さを意味しています。また、目の周囲が灰黒の毛で縁取られているような円い目でなければなりません。楕円形をした目の鳩は、即刻対象外にすべきです。それは、退化を意味するからです。

私は以前に何度もこれを決定づける貴重な体験をしています。その一つに、灰刺しの雌を例として書きましょう。その灰刺しの雌は外見は見事にすばらしい鳩でした。私は500マイル(800キロ)まで飛ばしましたが、その雌はいつも確実に飛び帰舎しました。私はいつも期待しながらとばしたものです。残念ながら一度も期待には応えてくれませんでした。私は、その雌を種鳩にしました。多くの直仔は、どれもこれも素晴らしい見栄えの鳩でした。しかし、それら直仔も一度も期待には応えてくれず、裏切られるだけでした。つまり、ただ確実に飛び帰舎するだけの鳩は”レース鳩”ではないのです。それでは我々競翔家達は納得できないのです。

私はこの雌を最後に、この種の欠格がある鳩はすべてレース鳩及び種鳩の対象からハズしています。どんなに外観が良い好鳩であっても、目に欠格がある鳩は惜しげもなく、すべて対象外にしています。

 ・ 図1【目の理論】  2018年5月29日(火) 14:01 修正
・・・

 ・・ □□□  2018年5月29日(火) 14:08 修正
◇レース鳩と種鳩の相関関係は……◇

瞳孔の外周は、完全な円を描いている”相関”または、”適合”の輪というものが鮮明に現れていなければなりません。これは、私の観察記録によって名付けたものですが、良いレース鳩は良い種鳩となり得ますし、レース鳩として失格した鳩は種鳩にはしない……、というのが私の考えだからです。つまり、レース鳩と種鳩は互いに深い関わりを持ち、レース鳩として高い資質を持ったものは、種鳩としても高いレベルにある、という相関関係にあり、レース鳩として合格(適合)したものは、種鳩としてもこれまた適合する、という私の持論を大上段に構えているからなのです。


このサインが鮮明に現れている鳩は、帰巣能力が高く、好鳩の作出能力も優れています。この細い円輪の外側がいわゆる”虹彩”というものです。

”相関”の輪が、細く鮮明に際だっているものは。オレンジや銀色の明るい色が多く、すべて良しとしています。ある鳩は、この円輪が虹彩と一緒になっている場合も見受けられますが、これも特に欠格があるわけではなく良しとしています。私の作出経験では、このタイプの目は一度もなかったことを付記しておきます。もし、円輪が鮮明でなく、円が不完全であれば、その鳩は見た目がいくら良くても、トラブルしか生み出さないでしょう。

虹彩は、黄、灰、柿、茶、赤、銀目といわれる幾多の種別がありますが、色彩度、鮮やかさが要求されます得。色度が”きょう膜”のすぐ内側の”外周輪”まで広がっていればベストでしょう。その資質は、相関及び適合ともに高く評価されるものです。しかし、薄い色度の場合は、不適と判断します。

虹彩と外周輪の境界は、鮮やかな黒または濃緑色が翼、外周輪から瞳孔にかけてだんだんと濃色から明るい色になる鮮やかな目がベストです。また、色素の斑点が見られるのも良いサインです。その斑点(スポット)は、外周輪の色素から来るものでなければなりません。青色の外周輪や青色の斑点であっては対象外と言えます。

これらすべての要素が完全にカバーされた”目”は、適合か不適かの判断の基準となるものです。つまり、合格か淘汰かの判断です。不適の場合は、すべて対象外とするべきですが、選手鳩についてはその限りでもありません。種鳩については論外なく対象からはずさなければなりません。

では、なぜ選手鳩の場合に限って少し淘汰の幅を広げたのでしょうか。すでに述べたように、それらの不適となった若鳩は将来チャンピオン鳩としてレースに優入賞する確率は非常に少ないでしょう。つまり、レース鳩としては失格と判断して良いでしょう。しかし、適・不適が判断しにくい鳩、例えば、骨格的、肉体的に優れた鳩は、可能性を追求する意味でレースでテストしてみるのも良い方法だと思います。なぜならば、まれに成鳩になると、”目”の発達が肉体的なそれに追いつき好結果を生み出す場合もあるからです。しかし、それは第1回目の換羽を無事に完全に終えることが最低条件であることは言うまでもありません。
[ここまでCD誌1982年12月号より引用]

 □□□ 『Wシステム必勝法』 ”眼”の理論ノートと共に J.W.ラングストン著 第4回  2018年5月31日(木) 19:50 修正
◇”目”理論は遺伝学的研究の見地から◇

ヨーロッパ大陸本土の競翔家達は、イギリスの競翔家達と比較して”目”について遙かに熱心にしかも深く取り組んでいるようです。特に虹彩の中に見られる斑点の形態について注意深く研究しているようです。

斑点の形態は血統によって、様々異なり、同一系統の流れにおいては、両親の一方又は両方に特徴に非常に類似した特徴を持つ子孫が生まれる、ということが遺伝学的研究の見地から証明されています。

従って、悪い影響を及ぼす同一系統内の配合から作出された鳩の劣性や祖先のチャンピオン鳩の虹彩の中に見られる斑点の形態や競翔家達が作出しようとする優性な資質……等々の様々な要素・要因は競翔家達が獲得しようとする栄誉に近づか、あるいは遠ざけるかの岐路にある最も重要な研究課題と言えましょう。 

もし、この理論が正しいのなら、競翔家達がこれからやろうとしている配合の方法を予測し、正しく進むべき方向へと導く重要な鍵”指標”となり、またその配合方法が正しいか否かをレースという実戦や経験により自らの手によって証明しなければならないのに必要な長い年月を大幅に短縮してくれ、確実な配合方法を予知させてくれるはずです。

このような」根拠から、未知の系統が研究熱心な競翔家達やブリーダーの間で新たな配合系統として作り出され、やがて注目されるようになることがしばしばあるわけです。

未知の系統には時々失望させられることも藍rますが、これまでのべてきたような理論によって、同一系統内の優秀な鳩の血の流れ(遺伝子)を受け継いでいるかどうかが、その系統の飛び筋や堅実さを研究することにより証明されるわけです。

これまで私自身の”目”の理論の研究において、この分野での実践的研究の経験はありませんが、非常に興味ある研究と言えるでしょう。

◇”アイサイン”について◇

私がこれから”アイサイン”や”翼”の理論について紹介する話は第二次世界大戦終了の年、1945年のベルギーのアントワープ市のことです。

私は英国のレース鳩に非常に興味を持っているアントワープ市のとある競翔家と熱心に語り合いました。彼は当時の陰謀家でした。その彼の職権からして、彼が数多くの優秀な鳩を手に入れることにかけては大した苦を必要としなかったことは読者の方々もお分かりだろう炉思います。

彼は競翔家として大成功していました。私の記憶では彼はその後のレースで特に目立った成績を残していたようです。その秘密は、彼は優秀な鳩の品筆を選択するのに特に精通した能力を持っていたからです。

◇理論より”賞金”その理由(わけ)は!?◇

私がこれからここで述べなければならない”目”や”翼”の理論を、彼は既に四半世紀以上も前に会得していたのですから驚くべきことでしょう。

彼はとても熱心に多くを語ってくれましした。それから何年かの長い交流を経て、私は彼から非常に多くの知識を吸収しました。そして、とある日の会話の中で彼はーーー”目”や”翼”の理論についてあまり関心はないが、しかしこれらの理論について既に深く知識があるベルギーの競翔家は「ここベルギーでは我々はこれらの理論についてあまり研究熱心ではなくて、全て金、金、金さ………」と主張するでしょう、といったものです。

私は彼のこの言葉を聞いていささか不可解に思ったものです。その時、私は彼のその話から、イギリスの多くの競翔家達が”目“や”翼”につて深く知識があるにもかかわらず、彼らの知識を実践に生かすことが出来ず失敗している、という事実にハッとしたのです。すなわち、イギリスの競翔家達が何故成功に欠けている、つまり、何故高く評価されないのかがわかったのです。

言い換えると、レースは金、金、金と言っているベルギーの競翔家達は、実は確実に自信のある理論の上に立って、それらの理論を十分実践に生かし、積極的なレース……1羽の狙った鳩をほとんど毎週レースに出す、というような過酷なレース……をし、その結果が更に好結果を生み、彼らに自信ある賭けレースをさせる為、「賞金が全てだ」。そう言わしめる豪語にもにた、自信に繋がっているのでしょう。

◇アイサインの研究◇

明るい戸外の日差しの中で、鳩の目を直射日光にあて、瞳の外側の部分に拡大鏡の焦点を合わせると、前号で詳しく述べた、優秀なレース鳩は優秀な種鳩となり得る、つまり相互関係に相通じる可能性を持っている、という理論の証拠となる瞳を囲む輪、いわゆる”相関の輪”や虹彩の内側の明るい色をした輪に被さるように外側から内側への広がる、細くやや不規則な影を見せる帯状の輪が見られるでしょう。その帯のような輪は、その鳩の健康状態やコンデション、タイプなどにより様々変するために絶好の正確な判断材料となります。また、それらが一番はっきりと変化するのは、主に口ばしに最も近い部分の細い輪の約1/4の部分にあらわれます。時には、輪全体に見られたことや目のまわりの生え際に近い部分や目の外側の部分の端に沿って波上に見られることもまあまるようです。

私の友人である前述のアントワープ市の競翔家が、この瞳の周りを囲む影の輪について初めて説明してくれたとき、彼はその輪を種鳩に適すか否かの判断材料として”適合の輪”と名付けていると話してくれました。しかし、その時私はその輪を”相関の輪”と自分で名付け、十分な知識を持ち合わせていると自負していましたから、彼は私の意味するところは表現こそ違っても全く同一の理論であることが分かったのです。

このアイサインは非常に高く評価すべきものですが、決してそれが全てではなく、また最終的なものでもありません。あくまでも観察と経験に裏付けされた独自の実証による確信となるものです。

また、ぜひ我々が心にとめておかなければならないのは、このアイサインはあくまでも、最良の視界を確保するための一要素に過ぎない、ということです。

私が知っている限り、この影の輪には特別の呼び名がないようです。また、医学者でさえこの輪に医学用語を使用しているとは思いませんが、ほとんどすべての種類の動物の目の中には、はっきりとこのアイサインがみられるのです。

◇銘鳩の影に”影の輪”あり……◇

瞳のまわりを囲む明暗度の強烈な完全な円輪状をした影の輪をもつ円のきれいな目こそ、いわゆる最高種鳩として適合する鳩の目なのです。これは、単純な一般的特性ではなく、また往々にして半円が不完全であったり欠けていたりしていても満足しがちであるが、時にはいつも心に理想を描き追求すべきものなのです。

若鳩が成長するにつれ、第1回、第2回の換羽が完了した後、他の肉体的、骨格的なすべての要素が完全で、この影の輪が完全なものであれば、そのレース鳩こそチャンピオンになると確信してもよいでしょう。

◇取捨選択・淘汰◇

レースシーズン終了時に約50羽ほど残っていいたと仮定すると、一般的にはそれらを40羽に淘汰もしくは選別し、よりベターなものだけを残すように心掛けるでしょう。しかし、真の競翔家となるためにはさらに30羽にまでしぼらなくてはhならないという厳しい問題が残されています。

それでは、その方法はどのようにするのでしょうか。

よく晴れた日に、アイサインをチェックするのです。まず、血統が良いのことは言うまでもありませんが、これまでに述べてきた方法によって十分に1羽1羽を観察し、記録します。その後、資料及びデータを細密に検討した後、最高の目をした鳩を10羽ほど選びます。それらを、来年度の種鳩として注意深くストックします。それら慎重に選びぬかれた鳩は、種鳩としての最高の完全な因子を備えており、忍耐と研究心さえあれば、自身よりはるかに優秀な資質やアイサインを備えた仔や孫を生み出すことが可能なのです。

次に一番好ましくないと確信される鳩を取り除きます。それらは邪魔になるだけでストックしたとしても全く役に立たないからです。

より優秀な鳩を作出し、さらに改良し、より優性な系統を作り上げていくには、いつの世にも深く研究された配合と厳しい選別・淘汰が必要なものです。

◇飛び筋は品質改良だ!!◇

鳥類という品種は、我々がいつも注意深く選別し、作出を繰り返し改良することを心掛けているならば徐々に資質が変化され、より優性になり、長い年月を要するが、最終的には我々が理想とする系統に改良され、完全の域に達することが可能なのです。つまり品種改良をしていくことこそ、飛ぶ筋の完成への道なのです。もちろん、この道は険しく、長い年月を必要とする、いわば修練・啓発の道なのです。それだからこそ、鳩の道は楽しいのです。

一つの飛び筋、基礎、主流となる系統を作り上げるには長い年月が必要とされrことは言うまでもありません。しかし、この長い年月を以下に短縮させ、いかに早く競翔家独自の系統を作り上げることができるかは、独自の熱心な研究による理論に負うところなのです。

我々がいつも系統を調べ、タイプ、体型、形態を研究し、レースで実践面でのテストをし、長い年月をかけ、飛び筋を改良しようと試みていますが、目や翼に注目し、研究し、選別・淘汰の判断をすることは、実際にレースでテストすることで実践の経験を積み重ねることや長い年月を経て作出を繰り返し改良していくよりはるかに積極的で、かつ前向きな研究課題となるはずです。

◇眼光するどく輝く銘鳩の目◇

目の研究について他の競翔家達と議論を交わすと、彼らは良くこういうことを口にします。

「ショーバードは、レース鳩と違ってあなたが言うところの特徴をもっためをしていないのではないか」と。そこで私は言うのです。

−−−その意見は残念ながら正しくありません。なぜならば、ショーバードはレース用としての資質よりも見せるための要素を重視しして作出されていますが、本当の美しいショーバードというのは、血統だけでなく、ほとんど優秀な記録を持った本格的なレース鳩から生み出されているからです。したがって、美しさと同時にレース鳩としても優秀であるという証(あかし)の特徴である”目”を受け継ぎ、備えているのです。

忘れてはならない点は、ショーバードとして肉体的な美しさを見せると同時に、目の美しさも評価の対象となっていることでしょう。

頭部の中で目が占める位置、目の輝き、鮮明さ、色、明暗度、などはレース鳩のそれと同じように評価されるのです。

人間とてももちろん同じです。美男、美女、そしてグリコ・ブス(お手上げ)の区別などは、せいぜい目、鼻、口の単なる位置バランスの比率の差に過ぎないのです。要は、その人間の本質の美しさを象徴するかのように光輝く目の輝き、美しさこそ評価すべきものなのです。眼光鋭く光輝く奥深い目は、男も女も、そして鳩も美しいものです。眼がしんでいるのは、どんな見た目がよい男や女でも、ショーバードにサバの目を取ってつけたようなものなのです。鷹や鷲かと見間違うほどの鋭い目をした鳩は、思わずハッとさせられます。

◇目の鋭さは同じでもバランスは逆!?◇

目の上の額が広く、目がやや奥目がちに目の上がくぼんだ人を見ると、我々は思わずその人が聡明だという印象を受けます。逆のタイプは、また逆の印象を受けます。しかし、驚いたことに鳩に関しては、全く正反対の印象を受けるものです。

優秀なレース鳩や種鳩は平らな頭部をし、目は頭部の上部に位置し、両目の感覚は広いのです。目が嘴の延長線上よりも上部にある、又は嘴の延長線上に位置する鳩こそ、我々が細心の注意を払って確保しなければならない優秀な資質、要素なのです。

◇種鳩の資質は目で決定する◇

少なくとも私自身にとっては、これらの目の特徴は私がいつも念頭に置き、探し求めているものなのです。そして、そういう目に出会うと私はそういう鳩を手に入れずにはいられなくなってしまいます。

これら特徴のある目をした鳩は、私にとって金(ゴールド)にも勝る宝物なのです。光り輝く鮮明な目が型の良い頭部にバランス良く位置し、しかもバランスがよい体形の鳩こそ文句なく完璧なチャンピオンバードなのです。そのような雄・雌だけを種鳩として確保し、それらの種鳩だけから仔を引けば確実に改良が出来る筈です。

私の作出は、選りすぐりの20〜22ペアのうちから、更に限定した8ペアの種鳩を配合させています。

前述のように40羽から30羽を選別する際、下位31〜40位は取捨しましたが、11〜30位の中から優秀なレース鳩が見いだせるでしょう。それは、やや不安定、不確実性のきらいがありますが、運が良ければああ位に期待できるでしょう。しかし、種鳩としては否です。

優秀な仔を生み、その仔が優秀な種鳩となるのを願う、いわば柳の下のどじょうを期待するのは、千に一つ、いや万に一つの望みがあるかどうかほどの確立を期待するようなものでしょう。(つづく)

 □□□ 画像:代表鳩【パンクチュアル号】  2018年6月5日(火) 4:36 修正

 □   2018年6月5日(火) 5:00 修正
◇まよいなき取捨選択はCHのオーダーメード◇

戦後40年にもなる鳩史において、しばしば1羽の鳩が基礎鳩となって、その鳩舎の名声や栄誉を支えているというケースが、多くの鳩舎の主系統に見られます。一方では、優秀な鳩を多数所有し、毎年確実に優秀な鳩を作出し、チャンピオン鳩を生み出しまさに飛ぶ鳥を射落とす勢いの力ある鳩舎さえ見ることができます。

前者は偶然にチャンピオンが生まれ、後者は計画を以て当然のごとくチャンピオンを生み出しているのです。その計画とはまさに、読者諸兄が今まで読まれた理論が基礎となっているにほかならいのです。しかし、配合や作出、レースの知識はすべて競翔家自身の勇気と決断によるものなのです。

チャンピオン鳩は決して、偶然に生み出されるものではなく、ここのレースマンによって研究された配合方法、そして恐れ、迷いなき淘汰、取捨選択によって作られるオーダーメードであることを忘れてはいけないのです。

チャンピオン鳩や『優秀な種鳩を生み出すのには、次に挙げる3つの必要不可欠な要素があります。
(1)体形及びそのバランス
(2)眼の構造及びその位置
(3)帰巣能力
(1)及び(2)の要素は、我々独自の研究によって正確に選択することが可能となりましょう。

(3)の要素は、舎外訓練やレースで確認しながらその能力を評価することが出来ますが、鳩自体を手にしているだけでは、何の確信も持てない要素なのです。必ず実践が伴わなければ、判断できない要素と言えるでしょう。しかしながら、我々はこの3つの要素を基礎にして、一つでも不確実、納得がいかない要素があれ淘汰、取捨選択し、最終的に選んだ鳩が、運を天にまかせたような単なる偶然だけに頼って栄光を願うのではなく、計算され尽くした理論によって当然のごとく勝利を手中にもたらす可能性を秘めているといえるのではないでしょうか。

個人的に私の過去の戦績をあげると、残念ながらこれまでワン・ツー・スリーという快挙を遂げたことはありませんが、自論に基づいてレースをし、シングル入賞を果たしたことは数多くあります。

◇頭部の、バランス◇

次に体形について、更に詳しく述べましょう。

理想的な鳩とは、バランスの良い大きさ、形をした頭部を持っています。もし大きすぎたり、、小さすぎたるような印象を与えるようであれば、当然のごとく除外しなくてはいけません。頭頂部がやや平らで、ちょうどオールバックのヘヤスタイルをおもわせるように後方に流れるような形状で、しかも目の位置が上部にあるような鳩は一応合格と見なして良いでしょう。

以前に述べた……「どんな大きさ、形の鳩でも勝てるさ」……という御仁の言葉を思い出すと、大きさや型に多少疑問が残る鳩でも頭部や目の印象がトップクラスのものであれば、良いレース鳩になる可能性を持っていることが分かります。

このページに紹介している私の自慢の1羽である、銘鳩と呼ぶのにふさわしいと自負する”パンクチャル”(時間に正確)の写真を見ると、一分の隙も見あたらない位の完璧な頭部、目をしているのがおわかりでしょう。これが、真の理想の型と言えるのではないでしょうか。

この鳩は25レース中で唯一度だけ入賞を逃しましたが、24レースで入賞した輝かしい記録を持つ、チャンピオンと呼ぶにふさわしい鳩です。

レース鳩を選別する際に、優性な頭部、目、劣性な体形の鳩と、その逆のタイプの優性な体形を持ちながらも頭部、目に疑問が残る鳩を比較し場合、当然のこととして私も一寸も躊躇することなく前者を選ぶでしょう。

また、前者のタイプは肉体的にやや劣るタイプの鳩でさえ、しばしば好成績を納める可能性を持ち合わせています。しかし、どんなに肉体的に満足のゆく要素を備えていても、頭部の構造に不備が残るような後者の対応は、肉体的に優位であるその機能が十分発揮されず、好成績をほとんど期待できないでしょう。

他の注意図べき要素として、長めの首、長めの脚は欠点と言われています。これらの2つの欠点は長距離レースや過酷なレースで速く疲労する原因となります。というのは、飛行中、鳩は首、脚をちょうどレベル装置のように持ち上げ、支えなければならないので非常に体力を消耗する原因となるのです。もし筋力が不十分であれば、それこそ一番早く疲労が始まる部分となることは目に見えています。

良質の羽毛をしていることは、当然要求される要素の一つと言えましょう。また、体形とは異なる要素ですが、もし私が鳩舎に入っていくといつでも鼻を鳴らすタイプの鳩は、私の淘汰リストの筆頭となります。最後に重要な要素として「翼」について述べなければなりません。

 □□□ ナショナル優勝鳩:RP50D1223R:翼のイラスト  2018年6月9日(土) 5:00 修正
翼のイラスト

 □□□ ・・  2018年6月10日(日) 5:09 修正
◇”翼”の理論◇

”目”の理論及び”翼”の理論の両方について、大変熱狂的な支持者が大勢いると言えましょう。と同時に、無価値な鳩や欠点のある鳩を見逃し手島宇のと同様に、予知、予測する最善の判断であるこれらの理論を全く念頭から度外視してしまう競翔家も大勢いることも事実でしょう。それらの競翔家は、つまり科学的究極である肉体的な特徴にあまり注意を払わず、慎重に観察・記録することを怠ってしまうのではないでしょうか。

もし、飛行機の胴体に直角に翼が付いた飛行機と現在のジェット機のような流れる翼が付いた飛行機を比較した場合、昔の航空科学があまり発達していない時代に、どちらがよりスピードを出せるかを実証しようとするならば、実際に何十、何百回ともなく大変な労力を使って実験を重ねなければならなかったでしょう。しかし、現在の発達した航空学では、ほとんど机上の緻密な計算でほぼ的確な予測を立てることが可能で、更に、実験によって実証することができるのです。鳩レースにおいてもしかりです。”目”や“翼”の理論である以上、予測することが出来れば、レースという実践の場が自ずとその理論が正しいか否かを立証してくれるわけです。従って、我々競翔家は常に理論を研究し、その理論にのっとんた配合、作出、取捨選択をしなければならないのです。そして、レースでの結果が示す我々の理論の是非に素直に従う心の準備をもしておかねばならないのです。

当然のことながら、我々は”翼”の理論についても真剣に取り組まなければなりませんし、我々が読んだり学ん理論が確認された場合も、また落胆させる結果となったとしても、それは前向きに研究され改善されていけば利益を得たことに十分値するのです。

私はもちろんこの理論を支持します。私が自らの観察や実戦での経験によって得た結果が、私が実際に読み、学んだ科学的根拠と合致し確認されたからだというわけではありません。

前述の飛行機の話題に戻りますが、私が自らの観察や実戦での経験によって得た結果が、私が実際に読み、学んだ科学的根拠と合致し確認されたからだというわけではありません。

前述の飛行機の話題に戻りますが、私の航空学の知識はほとんどありませんが、仮に飛行場に行きどの飛行機が最も速いかを言い当てるとしたらそれはほとんど十中八九、的確に言い当てることが出来ると思います。なぜならば、近来の情報化時代の波に乗って、ラジオ、テレビ、新聞、雑誌などの情報媒体を通じ、あらゆる科学的技術の分野における進歩、発達に一分も遅れないほどきめ細やかな情報が目に耳にと流れ、知識として我々に吸収されているからです。それと同様に、かなり、一筋縄ではいかない面も多々ありますが、”目”や”翼”の理論についても大まかな基礎識となる情報は多く流れているものです。

鳩の主翼に関して、多くの一級クラスの長距離鳩の主翼を比較・研究して、ある共通の特徴を見いだすことができるならば、もし我々がそういった特徴を持つ主翼を備えた鳩を飼育しているならば、われわれはトップクラスのレース鳩を所有しているのだ、と言う紛れもない事実に大きく前進し、近づいていることを確信できるでしょう。

この主ノン数多くのチャンピオン鳩に共通する主翼の特徴を見る研究はこれまで十分なされていると思われます。そいて、もっとも注目すべき特徴とは長距離鳩の主翼は幾分短めの印象を与えると言うことでしょう。また、居婦通して言える筋肉の発達した胸は、さらに印象を強くさせます。

[ここまでCD誌1983年1月号P124〜P129より]


 □□□ 『Wシステム必勝法』 ”眼”の理論ノートと共に J.W.ラングストン著 第4回    2018年6月10日(日) 10:33 修正
先月号では、主翼の特徴について述べました。そのなかでも、長距離鳩の主翼は幾分短めの印象を与えるというのが、特に注目すべき特徴と言えるでしょう。今月号では、”翼”の構造、形状について書きましょう。

レース鳩の翼をいっぱいに広げると、主翼の部分と副翼とに二完全に分けられます。主翼の羽と副翼のそれとの間にあるV字型をした小さな隙間によってはっきりと2分割されているものが良いとされています。

副翼は広く、羽根と羽根との間隔がせまく、胴体に向かってだんだんと短くなっていなければなりません。主翼は前述のように副翼から分割していますが、副翼とは逆向きに羽根が生えそろい、副翼に近い方からおよそ4〜6ミリの等間隔で外側に向かうにつれ、羽根が長くなる形状をしていなければなりません。(翼のイラスト参照)

また最後の外側4枚の羽根は、細く強い弾力性のある羽軸をしているものでなければなりません。そして、10枚目の羽根は全ての主翼の中で一番細く、9枚目よりやや短いのが特徴です。他の羽根も全て風を受ける部分、ちょうどアヒルやガチョウの足ひれの水かきにあたる部分が、多少波状をしているのが良い特徴と言えます。

私のナショナル優勝鳩は翼を広げながら、入舎する時や、地上に舞い降りるとき、外側の主翼の羽根が、ちょうど人間の手が親指を離したような形をして空を切るような非常に特徴ある広がりを示します。

◇「抜く」という動作!?◇

翼の構造上の役割を分析してみると、主翼は鳥の肉体を前進させるための推進力を生み出し、一方の副翼は、ちょうどヘリコプターの回転する羽根のように空中に物体を舞い上がらせる浮力を生み出す役目をしています。

レース鳩の翼の構造は、副翼の幅が広く1枚1枚の羽根の羽軸が強くしなやかで、翼全体が大きな扇のように広がるものが最上とされています。また、構造上の理論からすると、主翼の一番外側にある数枚の羽根が幾分細く、かつ隣り合わせの羽根の先端と先端との間隔が少し離れているのは、翼に受ける空気の量を羽根同士の間の隙間から「抜く」
ことによって、翼が受ける空気圧による抵抗をコントロールしやすくしているのです。

空気圧による抵抗をコントロールするというのは、強い前進力(推進力)をえるために、翼全体に強い空気圧を受け、強い力で後方にかき、すかさずその瞬間にその翼を「抜き」の動作によって、再度素早い動作で前方に持って行かなければなりません。

この時、つまり翼を「抜く」という動作の時、翼に受ける空気の抵抗を最小限にしなければ素早い「抜き」ができません。そして、素早い「抜き」の動作をするために、翼が受ける空気の量を前述の羽根と羽根の間の隙間から空気を抜いてやるわけです。

故に、羽根の構造上からもある程度すばらしいレース鳩の選別は可能と言えるでしょう。つまり、優秀なレース鳩の要素として、翼を力強く回旋させ瑠ことの出来る強い筋力と強い推進力、浮力を生み出す主翼、副翼を持っているばかりでなく、都合良く空気を「抜く」ことができるように主翼外側の数枚の羽根が構造の上で、理論に適合するものでなければならないのです。そういった翼が先来から備わっているレース鳩は、力強い推進力で飛翔し、スピードに乗ることがでいるでしょう。また、他を断然引き離して飛ぶことが出来るだけでなく翼の筋肉の疲労も少なく、かつ回復も早いのです。

◇”翼”の長さは基準値、スープの味は◇

翼の各部分の寸法について述べるに当たって、私のチャンピオン鳩である”タイアレス”、”Dr.ブリクー”、そして”パンクチャル”の3羽の羽根の寸法を実例として挙げてみましょう。

それらの3羽の寸法は、1954年6月14日のナショナル・レースに送る直前に記録したものですから非常に興味深いデータです。それらの3羽は、順に3500羽中総合優勝、20位、181位入賞しました。

”パンクチャル”はやや細身の体型をしており、、成長するにつれナショナル総合優勝鳩”タイヤレス”より翼がわずかに長くなっています。

 

(もう少しです)

 ■イレブンの研究室D■【新編】『クレルカン時代の検証』■編集終了 イレブン  2018年6月3日(日) 12:10
修正
イレブンの研究室Dの【新編】『クレルカン時代の検証』の編集作業が終わりました。

内容は、日本在来元年、つまり、クレルカンさん達と1000羽の鳩が日本にたどり着くまでの詳細な検証を行ったちょっとマニアックな内容です。当時の陸軍の通信文書を裏付けにした調査の結果、1919年3月31日朝7時30分神戸港ということが判明しました。

ちょうど明年2019年3月31日がその日から100年となります。

明年は、スネーク系の始祖が日本に渡航して以来1世紀という日本在来系にとってもとても大きな意義がある年です。

源流系としてもしっかりがんばりたいと思っています。

尚、この『クレルカン時代の検証』については、神戸港到着以降の中野通信隊での活躍などの調査を第3章として記述していく計画です。時々目を通していただければと思います。

 研究資料「ラストヤンセンの全貌」全25羽公開 イレブン  2018年6月2日(土) 12:03
修正
下の画像は、ヤンセン鳩舎の最後の25羽がPIPAのオークションに売り出された際の画像の一部です。
「イレブンの研究室A」の中に「ラストヤンセンの全貌」として全25羽分を本日アップしました。

ヤンセン兄弟が現役時代、決して公開されることのなかったオリジナルヤンセンバードのカラーの目の画像が見れます。ベルギー鳩界の最高峰として君臨し続けていたヤンセンバードの目の水準をはっきりととらえることができます。


 イレブンのお気に入りの1羽です。 イレブン  2018年6月2日(土) 12:08 修正
ヤンセンは石目がベースになっていたんですね。

ほれぼれします。この透明感と輝き。銘血の証ですね。

 イレブンのお気に入りの1羽です。 イレブン  2018年6月2日(土) 12:21 修正

 イレブンのお気に入りの1羽です。 イレブン  2018年6月2日(土) 18:41 修正
ラストヤンセンバードの見事な目の画像を並べると「ヨーロッパ大陸本土の競翔家達は、イギリスの競翔家達と比較して”目”について遙かに熱心にしかも深く取り組んでいるようです」とのラングストンさんの言葉は真実を語っていると言えるようですね。彼らは決してそのことを口にしないだけなんでしょうね。

ヤンセン鳩舎に最後に残っていた鳩たちですが、もっと素晴らしい雌種鳩がいたのだと思います。しかし、表に出る前に引き取られていったのでしょうね。雌のよい種鳩はどこの国でも貴重な存在なのでしょう。

ラストヤンセンの画像からがこんな印象をイレブンは受けました。

 イレブンのお気に入りの1羽です。  イレブン  2018年6月2日(土) 18:47 修正

 イレブンのお気に入りの1羽です。 イレブン  2018年6月3日(日) 2:38 修正

 1200K帰還鳩 シリウス  2018年5月27日(日) 16:36
修正
今日、友人の1200K翌日早朝帰りの鳩見せてもらいました。素晴らしい鳩でした私も参加しましたがこの地区この1羽だけの帰還でした。

 1200K帰還鳩 シリウス  2018年5月27日(日) 16:38 修正
さすがの眼ですね。

 1200K翌日早朝帰りの鳩 すばらしいですね! イレブン  2018年5月27日(日) 19:00 修正
1200キロといえば、岩田221号、稚内キング号、鳩王号とどれも時代を大きく動かした銘鳩の姿が浮かんで来ます。

翌日早朝とは、すごいスピードですね。いったい、当日一日で何キロ飛んでいたんでしょうね。

長距離スピードバードの典型的な目。
素晴らしいスタンス。
にじみ出ている迫力がすごいです。
最終レースでの唯1羽帰り完全総合優勝。一度は味わって見たいものです。

良い鳩を見せていただき、ありがとうございました。

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